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パオロ・ヴェロネーゼを解説!《カナの婚礼》とレヴィ家の饗宴・生涯まとめ

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アーティスト解説
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パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese, 本名パオロ・カリアリ 1528〜1588年)は、ティツィアーノティントレットと並んで16世紀ヴェネツィア絵画を代表する三大巨匠の一人とされています。
壮麗なルネサンス建築を背景に、色鮮やかな衣装の人々が埋め尽くす祝宴シーンを得意とし、《カナの婚礼》《レヴィ家の饗宴》など、巨大な群像画で知られています。

ルーヴル美術館で最大サイズの絵画として展示されている《カナの婚礼》では、キリストが最初の奇跡を行った場面を、テラスに広がる500人近い群衆と白い大理石建築の中で描き出しました。
一方、《レヴィ家の饗宴》は、あまりに世俗的で派手な宴会として描きすぎたため、宗教裁判所に呼び出され、題名を変えるよう命じられたというエピソードをもつ問題作です。

この記事では、ヴェロネーゼの人物像と略歴、代表作2点の背景と構図、そして建築的な空間づくりと色彩感覚という画風の特徴を、スマホでも読みやすいボリュームで整理していきます。

ぬい
ぬい

ルーヴルの一番デカい絵がこの人って聞くだけで、スケールのおかしさ伝わってくるね。

しかも内容が「神々しい奇跡」ってより「超豪華パーティー」寄りなのがヴェロネーゼらしくて好き。

レゴッホ
レゴッホ
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パオロ・ヴェロネーゼ

ここで簡単に人物紹介。

人物詳細

本名:パオロ・カリアリ(Paolo Caliari)。出生地のヴェローナにちなみ「ヴェロネーゼ(ヴェローナ出身の人)」と呼ばれるようになりました。

生没年:1528年生まれ、1588年4月19日没とされています。

出身地:イタリア・ヴェローナ。父親は石工で、母方は地方貴族の家系でした。

主な活動地:1550年代にヴェネツィアへ移り、以後はヴェネツィアを拠点に、ドゥカーレ宮殿やサン・セバスティアーノ教会などで大規模な装飾画を手がけました。

画家としての位置づけ:ヴェネツィア派の色彩とルネサンス建築を融合させた歴史画家であり、宗教画や神話画、寓意画、肖像画まで幅広く制作しました。

ぬい
ぬい

ティツィアーノとティントレットに続いて、またしてもヴェネツィアの怪物クラスが出てきたね。

この三人が同じ街で同じ時代にいたっていう事実だけで、16世紀ヴェネツィアの空気の濃さがわかるよな。

レゴッホ
レゴッホ
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パオロ・ヴェロネーゼとはどんな画家か|ヴェネツィア派三巨匠の一角

ヴェロネーゼは、若い頃にヴェローナの画家アントニオ・バディーレらのもとで修行し、ルネサンス建築や古代美術への憧れを育みました。
1550年代にヴェネツィアへ進出すると、ドゥカーレ宮殿の天井画やサン・セバスティアーノ教会の装飾などの大仕事を次々と任され、都市を代表する画家のひとりになります。

彼の作品の多くは、聖書や神話といった「歴史画」ですが、その舞台は古代パレスではなく、ヴェネツィア貴族の宮殿を思わせる大理石建築のテラスや大広間です。
列柱が並ぶバルコニーの向こうに青空と塔が開け、手前には色とりどりの衣装に身を包んだ人々、テーブルには豪華な食事がずらりと並びます。

同時代の文献では、ヴェロネーゼはティツィアーノ、ティントレットとともに「16世紀ヴェネツィアを支配した三人の巨匠」と評されており、特に華麗な色彩と建築空間の扱いで高く評価されました。

ぬい
ぬい

“歴史画”って聞くと堅いイメージあるのに、ヴェロネーゼだと一気にラグジュアリーなパーティーになるのおもしろい。

物語の舞台を完全に「当時のヴェネツィア貴族の世界」に引き寄せてるからね。パトロンもそりゃニコニコよ。

レゴッホ
レゴッホ
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代表作《カナの婚礼》|ルーヴル最大の絵画になった祝宴シーン

ヴェロネーゼの《カナの婚礼》を解説!“豪華すぎる結婚式”の真実

代表作のひとつ《カナの婚礼》(1562〜1563年)は、パリのルーヴル美術館に所蔵される巨大な油彩画で、高さ約6.7メートル、横幅約10メートルという同館最大級のサイズです。
新約聖書で、キリストが水を葡萄酒に変える最初の奇跡を行った「カナの婚礼」を題材にしていますが、その表現は当時のヴェネツィア上流社会の結婚披露宴そのものです。

画面の手前には長いテーブルが水平に置かれ、中央にキリストと聖人たちが座っています。
しかし彼らよりも目を引くのは、テーブルの左右で楽器を演奏する音楽家たちや、料理を運ぶ召使い、派手なターバンを巻いた異国風の客人たちです。
青空の下には白い大理石建築がそびえ立ち、奥には塔やバルコニーが連なり、まるで舞台セットのような大空間が広がっています。

中央の小さな場面で奇跡がひっそりと起きている一方で、画面全体は祝宴のざわめきと眩しい色彩で埋め尽くされており、「宗教画」でありながら徹底して世俗的な華やかさを追求している点が、ヴェロネーゼらしいところです。

ぬい
ぬい

キリストがいるのに、一番印象に残るのが音楽隊と犬っていうバランスが最高。

たぶんヴェロネーゼ的には「人生ってこういうごちゃごちゃした喜びの中で奇跡が起きるんだよ」って感じなんだろうね。

レゴッホ
レゴッホ
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代表作《レヴィ家の饗宴》|宗教裁判所に呼び出された問題作

ヴェロネーゼ《レヴィ家の饗宴》を解説!《最後の晩餐》として描かれた?

もう一つの代表作《レヴィ家の饗宴》(1573年、ヴェネツィア・アカデミア美術館)は、もともとドミニコ会修道院の食堂のために描かれた《最後の晩餐》でした。

大きさは高さ5.6メートル、横幅13メートルを超える超横長の画面で、中央のアーチの下にキリストと弟子たちが座り、その両側にはバルコニーや階段が伸び、周囲を大勢の人々が取り囲んでいます。
隊列を組んだ兵士や、道化師、酔っ払った客、動物たちなど、聖書の「最後の晩餐」には登場しない人物が多数描き込まれており、豪華な宮殿で開かれるヴェネツィア貴族の夜会のような雰囲気です。

この「にぎやかすぎる晩餐」が問題視され、ヴェロネーゼは宗教裁判所(異端審問)に呼び出されました。
当局は、聖なる場面に「道化や酔客、ドイツ兵、矮小な人物などのふさわしくない登場人物」を描き込んだことを問いただし、画面を描き直すよう命じます。

そこでヴェロネーゼは、画面をほとんど変えずに題名だけを《レヴィ家の饗宴》に改めました。
福音書には、徴税人レヴィの家の宴には「罪人たち」も同席していたと記されており、この題名なら道化や酔客がいても教義上問題ないというわけです。
結果として絵はそのまま受け入れられ、現在まで伝わっています。

ぬい
ぬい

内容はほぼそのままで、タイトルだけ変えて乗り切るの、めちゃくちゃ頭いい。

「最後の晩餐だとマズいけど、レヴィ家のパーティーだったらセーフですよね?」っていう発想、現代のネーミング変更とあんまり変わらないのが笑う。

レゴッホ
レゴッホ
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建築空間と色彩のマジシャン|ヴェロネーゼの画風の特徴

ヴェロネーゼの最大の魅力は、巨大な建築空間を設計するセンスにあります。
ドーリア式やイオニア式の列柱が並ぶロッジア、遠景にそびえる塔やドーム、石段やバルコニーの奥行きなど、彼の絵はほとんど建築パース図の上に人物を配置したような構造を持っています。

その空間を埋めるのが、ビロードや絹の衣装、金糸の刺繍、ターバンや鎧など、ヴェネツィア貴族の豪華なファッションです。
赤、緑、金色、青などの鮮烈な色を大きな面で対比させ、その上に柔らかい光を当てることで、人物の群れを一つの華やかなリズムにまとめ上げています。

また、彼は神話画や寓意画、肖像画にも同じ手法を応用しました。
《ヴィーナスとマルス》《聖ニコラウスの戴冠》《貴婦人の肖像》などでは、人物の背後に壮麗な建築や風景を配置し、物語性と装飾性を同時に満たす構図を作り出しています。

ぬい
ぬい

建物の描き込みがガチすぎて、建築CGの中に人を合成したみたいに見えるときある。

でもちゃんと色で一体感を出してるから、「背景」と「人物」がバラバラにならないんだよね。空間設計と配色センスの両方が化け物級。

レゴッホ
レゴッホ
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おすすめ書籍

このサイトの参考にもさせて頂いている本を紹介します。

まとめ|ヴェネツィアの祝宴文化を絵画で永遠化した巨匠

パオロ・ヴェロネーゼは、石工の息子としてヴェローナに生まれ、ヴェネツィアに移り住んでからは、ドゥカーレ宮殿や教会、修道院の壁と天井を舞台に壮大な歴史画を残しました。
《カナの婚礼》ではキリストの奇跡を、ヴェネツィア的な超豪華バンケットとして描き、《レヴィ家の饗宴》ではその世俗性ゆえに宗教裁判所に呼び出されながらも、機転を利かせた題名変更で乗り切りました。

建築的な遠近法と鮮やかな色彩を駆使し、宗教画・神話画・肖像画を問わず、ヴェネツィアの祝宴文化や都市の誇りを絵画の中に封じ込めたことこそが、彼の最大の功績だと言えるでしょう。
ティツィアーノ、ティントレットとともに「ヴェネツィア派三巨匠」を形成したヴェロネーゼは、ルネサンスからマニエリスム、そしてバロックへと連なるヨーロッパ絵画の流れの中で、今もなお強烈な存在感を放ち続けています。

ぬい
ぬい

ヴェロネーゼの絵を見てると、「この時代のヴェネツィアどんだけ景気よかったんだ…」って実感する。

だね。歴史の教科書より、あのカラフルな群衆と建築のほうが当時の空気をストレートに伝えてくれる気がする。

レゴッホ
レゴッホ
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