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ヘラクレス第10の試練とは?ゲリュオンの牛を奪う神話をわかりやすく解説!

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ヘラクレス第10の試練とは?ゲリュオンの牛を奪う神話をわかりやすく解説! ギリシャ神話
ヘラクレス第10の試練とは?ゲリュオンの牛を奪う神話をわかりやすく解説!
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ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが挑んだ十二の功業。その第10の試練は、海の果てに住む怪物ゲリュオンから、神聖な牛の群れを奪って持ち帰るという過酷な遠征でした。

この試練では、三つの胴体を持つ怪物ゲリュオン、毒の矢で戦うヘラクレス、さらに太陽神ヘーリオスから借りる「金の盃船」など、他の功業に負けないスケールの神話的展開が登場します。

この記事では、ヘラクレスがいかにして地の果てへ旅し、怪物たちを倒し、牛を持ち帰ったのかを、詳しく丁寧に解説します。

ぬい
ぬい

第10の功業!

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十二の功業とは?|ヘラクレスが課された壮絶な使命

ヘラクレスは、自らの罪を償うためにミケーネの王エウリュステウスに仕え、彼の命令によって「十二の功業(ドーデカテス)」をこなすことになります。もともとは10個の試練の予定でしたが、一部が「無効」とされ、最終的に12個に増えるという展開になりました。

この功業には、野獣の討伐・怪物の捕獲・神聖な宝の奪取・冥界への旅まで、さまざまな困難が詰め込まれています。それぞれの試練は、ヘラクレスの力や勇気、そして知恵を試すもので、ギリシャ神話の中でも最も有名な英雄叙事詩のひとつとなっています。

今回紹介する「第10の試練」は、その中でも特にスケールが大きく、神や怪物とのかかわりも多い壮大なエピソードです。

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ぬい
ぬい

最初10個のはずだったのに、どんどん増えるのホントかわいそう…でも全部やりきっちゃうのがヘラクレスなんだよね!

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試練の背景|なぜゲリュオンの牛を奪うのか?

第9の試練(アマゾンの女王ヒッポリュテの腰帯)に続いて、エウリュステウス王はますます難易度の高い命令を出します。
今度の指令は、「エリュテイア島に住む怪物ゲリュオンの神聖な牛の群れを奪い、ミケーネまで持ち帰れ」というもの。

エリュテイア島は、ギリシャ世界の西の果て。事実上、当時の人々にとって「世界の終わり」を意味する土地で、神話的にも現実的にも極限の旅となりました。

しかも、ゲリュオンは並の敵ではありません。「三つの胴体・三つの頭・六本の腕」を持つ怪物で、その牛たちは双頭の犬オルトロスと牧人エウリュティオンによって守られていました。まさに“フル装備の要塞”のような存在だったのです。

ぬい
ぬい

なんで牛を盗るの?って思っちゃうけど、これが「栄光への道」なんだよね。しかも地の果てまで行けって……エウリュステウス王、やりすぎだって!

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ヘラクレスの大遠征|金の盃船で海を渡る

ゲリュオンの牛がいる「エリュテイア島」は、当時のギリシャ人の想像する“世界の西端”にありました。ヘラクレスはそこへ向かって、過酷な陸路と海路を旅することになります。

旅の途中、ヘラクレスはリビアやエジプトを通過し、さまざまな冒険や戦いを経験したとされます。そして、大西洋に面した場所――ヘラクレスの柱(ジブラルタル海峡)のあたりに到達したとき、彼はある行動に出ます。
太陽神ヘーリオスに向かって怒りをぶつけ、彼のまばゆい光に向かって矢を放ったのです。

この無謀な行為に驚いたヘーリオスは、なんとヘラクレスに特別な船――「金の盃(さかずき)の形をした船」を貸し与えます。この盃船に乗って、ヘラクレスはついに西の果てエリュテイア島へとたどり着くのです。

この「金の盃船」は非常に神話的な道具で、通常の航海では不可能な旅を可能にする“太陽の道具”。ヘーリオスは夜になるとこの盃で世界を東へ戻ると考えられており、それを借りることができたヘラクレスの英雄性がここでも際立っています。

ぬい
ぬい

太陽に矢を撃つって、ヘラクレスやばいって思ったけど、神様に気に入られて船もらうのすごいな…。なんか、無茶な力技が通じるのがヘラクレスっぽくて好き!

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ゲリュオンとの戦い|三つの胴体を持つ怪物との死闘

エリュテイア島に上陸したヘラクレスを待ち受けていたのは、ただの牛泥棒では済まされない大決戦でした。まず彼が出会ったのは、牛の番犬オルトロス――双頭を持つ凶暴な犬です。このオルトロスは、あの地獄の番犬ケルベロスの兄弟ともされ、神話中でも屈指の異形。
しかしヘラクレスはひるまず、持っていた棍棒で一撃のもとに打ち倒します。

次に現れたのが、牛飼いエウリュティオン。こちらも戦士として優れた力を持っていたとされますが、彼もヘラクレスにかかれば敵ではありませんでした。

そして、いよいよ現れたのが主君ゲリュオン。
彼は三つの胴体、三つの頭、六本の腕と足を持ち、それぞれが独立して戦えるほどの力を持った恐るべき怪物です。ヘラクレスにとっても最大級の敵でした。

この戦いでは、ヘラクレスが自らの力だけで挑むのではなく、前の試練で手に入れていた武器――ヒュドラの毒を塗った矢を使ったとされます。この毒矢は、ゲリュオンの三つの胴体の一つひとつを貫いて絶命させるほど強力なものでした。

戦いの結果、ゲリュオンは倒れ、ヘラクレスは無事に牛の群れを奪うことに成功します。

ぬい
ぬい

三体の怪物って、一人で三人分のボスと戦う感じでやばすぎ…。
しかも毒矢使って倒すの、ヒュドラ戦がちゃんとここで活きてるのアツいね!

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帰路の苦難|ヘラクレスが直面したさらなる試練

ゲリュオンを倒し、牛の群れを手に入れたヘラクレス。しかし試練は終わりではありませんでした。むしろ、ここからの「帰り道」がさらなる難関の連続だったのです。

まず彼が直面したのは、ヘラの妨害です。ヘラクレスを憎む女神ヘラは、牛たちを混乱させ、散らしてしまいます。ヘラクレスは何日もかけてそれらを捕まえ直し、群れを整えるはめになります。

さらに、イタリアを通過する際には、カコンという巨人のような盗賊が現れます。カコンは夜の間に牛の一部を盗み、洞窟に隠してしまいました。ヘラクレスは牛たちの鳴き声や足跡を逆にたどることで居場所を突き止め、最終的にはこの盗賊も打ち倒して牛を取り返します。

また、旅の途中でヘラクレスは複数の川や山を越え、時には異民族の王や怪物とも戦ったと伝えられています。地中海世界を横断するその旅は、まさに「大英雄の旅路」として、後の叙事詩や伝説に大きな影響を与えました。

こうして数々の困難を乗り越えたヘラクレスは、ついにゲリュオンの牛の群れをミケーネに持ち帰ることに成功します。

ぬい
ぬい

行きだけじゃなくて帰りも地獄なのか…って思ったけど、それでもやり遂げるのがヘラクレスなんだよね。
もはやただの強さじゃなくて、執念とか意志の力って感じする!

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試練の意味とその後|エウリュステウスの反応と物語の展開

ルーカス・クラーナハの工房《ヘラクレスとゲリュオンの牛》

牛の群れを無事に持ち帰ったヘラクレス。しかし、いつものことながら、試練を課したミケーネの王エウリュステウスは素直に褒めるような人物ではありませんでした。

実は、彼はこの10番目の試練をも「無効」にしようと考えていたのです。理由ははっきりとは語られませんが、いくつかの伝承では「ヘラクレスが金の盃という“神の力”を借りた」ことや、「旅の途中で協力者がいた」といったことが問題視されたともいわれています。

こうして本来10個だったはずの功業は、すでに第2の試練(レルネのヒュドラ退治)と合わせて2つが“カウントされない”ことになり、最終的に「12の功業」として継続されていくことになります。

それでもこの第10の試練は、ヘラクレスの冒険の中でも特にスケールの大きい試練として語られ続けてきました。地の果てまで旅し、神々の力を借り、強大な怪物を倒し、持ち帰る――それはまさに、英雄叙事詩そのものの構成です。

この試練は、単なる「牛を奪う任務」ではなく、「世界を旅し、神や怪物と関わることで、真の英雄になる」ための大いなる試練だったともいえるでしょう。

ぬい
ぬい

10個で終わりって話だったのに、「これもノーカン!」って言い出す王様、ほんとにセコいよね…。でもそのおかげで、あと2つも神話が増えたんだから、結果オーライかも!

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おすすめ書籍

下記記事でギリシャ神話を学ぶ上でおすすめの書籍を紹介します。

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ぬい
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どちらもわかりやすくて初心者から上級者までおすすめの本です。

まとめ|第10の試練が語るヘラクレスの真価

ヘラクレスの第10の試練――それは単なる牛泥棒ではなく、神話のスケールで描かれる壮大な冒険でした。

地の果てエリュテイア島への旅路、太陽神ヘーリオスからの「金の盃船」、三つの胴体を持つ怪物ゲリュオンとの戦い、そして帰路に待ち受ける数々の苦難。これらすべてを乗り越えて牛を持ち帰るという行為は、ヘラクレスの肉体的な強さだけでなく、粘り強さ・知恵・神々との関係までも示しています。

この試練によって、ヘラクレスは「遠征する英雄」としての側面を強く印象づけました。
同時に、ただ命令をこなす存在ではなく、世界を旅し、神や怪物と対峙し、成長し続ける人物として描かれているのです。

そして何より、これだけの偉業を成し遂げても「まだ試練が終わらない」という点が、彼の物語のドラマ性をさらに深めています。

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