こんにちは、この絵画を調べるということは相当な貴方は美術好きとお見受けしました。
この記事では、クロード・モネの『関税吏の小屋、荒れた海』(The Customs House, Rough Sea)を解説します。
本記事のコンセプト上、最初にじっくり鑑賞からしていますが、すぐ解説をご覧になりたい方は目次で気になる個所をクリックすれば直ぐに飛べるので、ご活用ください。
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モネの『関税吏の小屋、荒れた海』を鑑賞
下の解説を見る前に皆さんもぬいと一緒に作品をじっくりと鑑賞してみてください。
凄い筆使いだよね。
絵を見ただけでわかる。
この日は強風だったに違いない!
荒れる海ってタイトルのわりに
天気は晴れてそうだよね。
しかし、この水面の照り返しの表現。
何度見ても良い。。。
永遠に続くかのような水平線と青い空。
これを筆だけで表現できるんだから、やっぱりすごいよね。
モネの『関税吏の小屋、荒れた海』を解説
海の荒波が打ち寄せる中、ひっそりと佇む関税吏の小屋。
モネの「関税吏の小屋、荒れた海」は、自然の力強さと美しさを描き出す名作として知られています。この作品はどのようなメッセージを込められているのでしょうか。
さまざまな視点から解説していきます。
作者 :クロード・モネ
製作年:1882年
種類 :油彩画、カンヴァス
寸法 :58 × 81cm
所蔵 :日本テレビ放送網株式会社
モネの「関税吏の小屋、荒れた海」の魅力
モネの「関税吏の小屋、荒れた海」は、その構図や色彩、タッチなど、さまざまな要素が見事に調和しています。
まず目を引くのは、荒々しい波の描写です。
波の力強さや迫力が伝わってきますが、同時に美しさも感じられます。波の白い泡や水面の輝きが、光と影のコントラストを生み出し、作品に奥行きを与えています。
海だけで一体、幾つの絵の具が使われているのだろうか。
また、関税吏の小屋の存在感も魅力の一つです。
この小さな建物が大自然に対して無力な存在であることを感じさせます。
モネはここで、人間の力や存在が自然に比べてどれほど小さなものであるかを表現しています。
人間の一瞬の存在に対して、自然は長い年月をかけて変化し続けています。
人間こそ描いていないものも、建築物から人間と自然を対比させられるモネって凄いね。
モネが描く自然の美しさ
モネは「関税吏の小屋、荒れた海」を通じて、自然の美しさを独自のスタイルで描き出しています。
彼の特徴的なタッチや色彩は、風景の美しさをより一層引き立てています。
特に、海面の反射光や波の色合いの表現は、モネならではの技法です。
彼が独自に開発した「シリアリズム」と呼ばれる手法によって、光の移り変わりや水の流れがリアルに描かれています。
モネならではの技法っていうのもあるんだね!
さらに、作品には季節感や時間の経過を感じさせる要素もあります。
海の色調や空の表現が、季節や天候の変化を表しています。
これによって、作品には時間の流れや風景の移り変わりが感じられます。
モネは自然の一瞬の美しさだけでなく、その変化や移り変わりにも注目し、それを独自のスタイルで表現しています。
フィリップ・ビュルティも称賛
モネは少年時代のほとんどをノルマンディーの港町であるル・アーヴルで過ごしたそうです。
そんな思い出の地をモネはこよなく愛し地勢にも精通していました。
1882年にモネはノルマンディーを旅しており、様々な海岸沿いの村々を訪れていました。
「関税吏の小屋、荒れた海」もその旅の中で描かれました。
有名な美術批評家であるフィリップ・ビュルティ(1830-1890)は、この時期のモネの作品を「きわめて現代的」と称賛しています。
関税吏とは
「関税吏」は、税関で働く職員や役人のことを指します。
税関吏の主な役割は、輸入や輸出される商品に対して税金や関連する手続きを管理し、取り扱います。
税関吏は通常、国の税制や貿易規則に従って商品の取り扱いを行い、国境を越える商品の流れを管理します。
「関税吏の小屋、荒れた海」で描かれている小屋は元々は、ナポレオンの時代に関税吏がイギリスとの貿易を監視するため、ヴァランジュヴィル=シュル=メールとプールヴィルの境界に建てられたものです。
象徴的な小屋
この絵を鑑賞する際に目が行くポイントの一つとして左側に描かれた小さな小屋があげられると思います。
前述の通りこの小屋は、元々ナポレオンの時代に関税吏がイギリスとの貿易を監視するために建てられたものですが、モネが描いた時代には地元の漁師たちが避難所や倉庫代わりとして使っていました。
しかし、その小屋の存在は自然の荒波に対してはかなり小さく、人間のちっぽけさと自然の壮大さの対比が感じられます。
光と影の効果
モネは光と影の効果を駆使して、風景に深みと立体感を与えています。
特に海面の反射や小屋に差し込む光は、瞬間の美を際立たせています。
絵を見ているだけで吹き荒れる暴風の音が聞こえてくるような感じがします。
モネとは
クロード・モネ(Claude Monet)は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの印象派の巨星であり、美術史上最も影響力のある画家の一人です。モネは1840年に生まれ、1870年代に印象派運動を牽引しました。
彼の最も著名な作品は、光の変化や自然の美を捉えた風景画であり、特に「睡蓮」や「印象、日の出」、「花咲く林檎の樹」などが挙げられます。モネは物事の瞬間や印象を捉え、従来の写実主義の枠を越えて自然の光と色彩を追求しました。
印象派の画家たちは、モネを中心に集まり、従来のアカデミックなスタイルからの脱却を試みました。モネは特に屋外での制作を好み、風景や季節の変化を捉えることに情熱を傾けました。彼の絵画は細部よりも全体の印象に焦点を当て、筆致や色彩の変化を通じて感覚的な効果を生み出しました。
モネはまた、シリーズ制作にも取り組み、同じ被写体を異なる条件下で描くことで時間や光の変化を観察しました。その結果、彼は独自の視点から物事を見つめる手法を確立し、それは後の抽象表現主義や印象派以降の美術に大きな影響を与えました。
彼の後半生は、特にギヴェルニーの庭園における「睡蓮」シリーズが印象的であり、これはモネの没後になってからその真価が評価されました。モネの芸術は印象派の運動全体を象徴し、彼の先駆的なアプローチは後の芸術家に深い感銘を与えました。モネは1926年に没しましたが、彼の遺産は現代でもなお鮮烈に残っています。
印象派とは
印象派は、19世紀末のフランスで興った芸術運動で、主に風景や日常生活の瞬間的な印象を捉えることを目指した画家たちのグループです。
このスタイルは写実性よりも光や色彩の変化、筆致の断片化に焦点を当て、絵画に新しい視点と印象をもたらしました。
代表的な画家にはクロード・モネ、エドゥアール・マネ、ピエール=オーギュスト・ルノワールなどがいます。印象派は従来の芸術概念に挑戦し、独自の美学を確立しました。
作品詳細
関税吏の小屋、荒れた海 (The Customs House, Rough Sea)
クロード・モネ
1882年 油彩、カンヴァス 58 × 81cm
日本テレビ放送網株式会社
まとめ
今回はクロードモネの「関税吏の小屋、荒れた海」を紹介しました。
モネの「関税吏の小屋、荒れた海」は、自然の力強さや美しさを描き出す名作です。
波の迫力や関税吏の小屋の小ささなど、作品にはさまざまなメッセージが込められています。
また、モネの独自なタッチや色彩は、風景の美しさを一層引き立てています。
この作品を通じて、自然の壮大さや美しさに改めて感じ入ることができるでしょう。
2024年1月27日(土)~ 4月7日(日)に東京都美術館で開催中の展覧会印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵にて実物を鑑賞する事が出来るのでぜひ足を運んで暴風を感じてみてください。
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