あなたは絵画に興味を持っていますか?そして、特にルネサンス期の傑作に惹かれることはありませんか?
そんなあなたにおすすめしたいのが、ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』です。
この作品は、絵画史上でも最も謎に包まれた作品の一つとして知られています。
その美しい表現と奥深い意味に触れることで、絵画の魅力をさらに深めることができるでしょう。
本記事のコンセプト上、最初にじっくり鑑賞からしていますが、すぐ解説をご覧になりたい方は目次で気になる個所をクリックすれば直ぐに飛べるので、ご活用ください。
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ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』を鑑賞
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ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』を解説
鑑賞はどうでしたか?『アルノルフィーニ夫妻像』は数ある名画の中でも謎多き名画として有名な作品です。
この絵画は、イタリア人商人ジョヴァンニ・ディ・ニコラ・アルノルフィーニと妻の姿を描いた全身像です。
この作品は、夫妻の邸宅があるフランドルのブルッヘを背景にしています。
作品には、寓意的な要素や独特の幾何学的な直交遠近法、背面の壁にかけられた鏡に映し出される反転した情景などがあります。
そのため、この作品は西洋美術史上でも非常に独創的で複雑な構成を持つものとされています。
また、婚姻契約の場面を記録するために描かれた珍しい絵画としても評価されています。
それでは、ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』の解説をしていきます。
是非最後までご覧ください!
作品詳細:『アルノルフィーニ夫妻像』
題名 :アルノルフィーニ夫妻像(The Arnolfini Portrait)
作者 :ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck)
製作年:1434年
種類 :油彩画
寸法 :82.2 cm × 60.0 cm
所蔵 :ナショナルギャラリー所蔵(ロンドン)
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』は、15世紀初頭に制作されたとされる絵画です。
この作品は、ヨーロッパ絵画の黎明期に位置し、ルネサンス期の芸術において画期的な存在となりました。
その魅力の一つは、写実的な描写技法にあります。
ヤン・ファン・エイクは、細部まで緻密に描かれた衣装や家具、そして繊細な光の表現によって、現実感を追求しました。
このリアリティあふれる描写によって、観る者はまるで絵の中に入り込んだかのような感覚に包まれるでしょう。
作者紹介:ヤン・ファン・エイク
ここで『アルノルフィーニ夫妻像』の作者を簡単に紹介します。
生没年:不明~1441年
出身:不明(マースエイク出身説が濃厚)
代表作:
・『アルノルフィーニ夫妻像』
・『ファン・デル・パーレの聖母子』
・『受胎告知』
同世代の画家:
・ロレンツォ・ギベルティ
(1381~1455年)
・ロベルト・カンピン
(1375頃~1444年)
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』は、15世紀初頭に制作されたとされる絵画です。
『アルノルフィーニ夫妻像』の解釈に迫る
『アルノルフィーニ夫妻像』にはその描写技法以上の謎が存在します。
この作品は、一見するとただの肖像画のように見えますが、実はそこには深い象徴や隠されたメッセージが込められています。
例えば、夫妻の間に立っている鏡。この鏡に映る景色や人物は、一体何を意味しているのでしょうか?
また、夫妻の手をつなぐことで描かれる絆や愛情の象徴とは一体何なのでしょうか?
これらの謎は、多くの研究者や美術愛好家たちを魅了し、数々の解釈がされてきました。
一つの解釈としては、この作品が結婚の契約を示しているというものです。
夫妻の手をつなぐことで描かれる絆は、夫妻の結婚の契約を象徴しているとされています。
また、鏡に映る景色や人物は、夫妻の未来や家族の拡大を暗示しているのかもしれません。
さらには、鏡が現実と幻想の境界を示しているという解釈もあります。
このように、『アルノルフィーニ夫妻像』の解釈は多岐にわたり、鑑賞者の想像力をかきたてる要素がたくさん詰まっています。
当時としては斬新な肖像画
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』は、当時としては斬新な描かれ方をしています。
それも斬新な点は1つではなく3つありました。
全身像の肖像画
1つ目の斬新な点は、人の全身像を描いている点です。
というのも、当時の肖像画は上半身のみを描いているものが主流でしたが、ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』では足から頭のてっぺんまでの全身が描かれています。
複数人描かれている肖像画
2つ目の斬新な点は、2人の人物が描かれている点です。
当時の主流の肖像画は1人の上半身のみだったので、2人の全身像がいかに斬新な構図であったかがわかります。
人物に動きのある肖像画
3つ目の斬新な点は、描かれている人物に動きがある点です。
手を繋いだり、手を立てているでしょう。
当時の主流の肖像画は1人の動きのない上半身のみだったので、ポーズをとっている全身像の2人の肖像画は途轍もなく斬新であったと言えますね。
モデルは誰!?
『アルノルフィーニ夫妻像』には、ジョヴァンニ・ディ・アリーゴ・アルノルフィーニとジョヴァンナ・チェナーミ夫妻が描かれているとされています。
しかし、1997年の研究で実際にはアルノルフィーニ夫妻が結婚したのは1447年であり、絵画の日付が1434年であるため、実際の出来事から13年後に描かれたことが明らかになりました。
その為、現在では、描かれているのはジョヴァンニ・アルノルフィーニ夫妻ではなく、従兄弟のジョヴァンニ・ディ・ニコラ・アルノルフィーニ夫妻と考えられています。
また、この絵の場所は彼ら自身の家であるとされています。
女性は、ジョヴァンニの内縁の二番目の妻であるか、1433年に亡くなった最初の妻コスタンツァのどちらかだとされています。
もしコスタンツァであれば、この作品は生存している人物と亡くなった人物を一つの絵に描いた追悼作品という意味を持つことになります。
因みに作者のヤン・ファン・エイクはベルリンでもファン・エイクの別の作品に描かれており、二人は友人であった可能性が考えられています。
季節は夏なのに厚着!?
描かれているのは、窓の外に見える桜が実をつけている二階以上の部屋です。
よく見たら桜に実がなっている♪
そのため、季節は夏だと推測されます。
2人の人物は、とても豪華な衣装を身にまとっています。
季節は夏ですが、男性は袖のないまたは短いショートコートのようなタバードを着ており、女性は厚いドレスを着ています。
しかも、そのドレスには毛皮で縁取りが施されています。
男性の毛皮はセーブルで、女性の毛皮はアーミンで、どちらも非常に高価なものです。
男性は夏用黒い麦藁帽子をかぶっています。
短いコートは経年劣化で退色してしまっており、現在の色よりも紫に近い色で、高価なシルクベルベットのような素材でできていると考えられています。
コートの下には、シルク織の模様がついたダブレットを着ています。
女性は頭に純潔を象徴する白レースを被っています。
ドレスの袖には手の込んだ波状の飾りが施されており、長いトレインがついています。
ドレスの下には青い服を着ており、それも白い毛皮で縁取りがされています。
結婚の絵だとわかる要素
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』が結婚というテーマで描かれた作品であることがわかる要素について紹介します。
オレンジの意味
オレンジは、人類がエデンの園で生活していた頃の無垢さを象徴しています。
このオレンジはイタリアでは結婚における豊かさや多産を意味するものです。
さらに、オランダではオレンジは高価な輸入品であり、アルノルフィーニ夫妻の裕福さを物語っています。
桜の意味
窓の外に描かれている桜は「愛」を象徴しているとされている。
ロウソクの意味
7本のロウソク台を備えた華やかなシャンデリアの中で、ただ1本だけが点灯されているというこの光景は、おそらくフランドルの結婚式に見られる伝統的な慣習を表しています。
昼間に祭壇のランプのように灯されたロウソクは、聖霊の臨在と神の目が絶えず存在することを象徴しています。
一方で、この絵画が死者に対する追悼の作品であるとするマーガレット・コスターの見解によれば、1本だけ燃えているロウソクにはさらに別の意味合いがあるとされています。
点火されているロウソクは男性側にあり、一方で消えかけているロウソクは女性側にあるというのです。
このような構図は、文学作品でしばしば用いられるメタファーでは、男性が生きているのに対し女性が亡くなっていることを表しているとも言われています。
凸鏡の意味
凸面鏡は、神の目が見守る結婚の証しであり、同時に、清らかな鏡は聖母マリアの処女懐胎と純潔の象徴でもあります。
この凸面鏡には、二人の人物が映っており、その一人はファン・エイク自身だと考えられています。
パノフスキーの説によれば、この作品は婚姻証明であり、描かれている二人の人物は、この結婚を法的に正当なものにするために呼ばれた立会人です。
また、ファン・エイクが絵画の壁に書いた署名は、婚姻の法的証拠としての機能を果たしたとされています。
脱ぎ捨てられた靴の意味
木靴の脱ぎ方には聖書の言葉にちなんだ意味が込められており、この場所が神聖な婚姻の場であることを示しています。
靴の脱ぎ方に関する詳細な意味合いは現時点では明らかではありませんが、華やかな装いから二人は貴族的な印象を受けながらも、木靴の存在によりブルジョワ階級であることがうかがえます。
妊娠しているわけではない
情勢の腹部に注目して見ると妊娠している様にも見えます。
しかし、この女性は妊娠していないという説が主流になっています。
絵画に描かれた女性の装束は、当時の流行を反映したものであると考えられています。
アルノルフィーニは布地の商人であったため、衣服のトレンドに敏感であったと推測されています。
この絵のモデルになった可能性がある女性たちは、子供を持つことなく亡くなっていることから、この絵が妊娠を暗示しているとする解釈には疑問が残されています。
一方で、ベッドの支柱には、妊婦と出産の守護聖人とされる聖マルガリタの彫刻が見られます。
聖マルガリタは、陣痛の苦しみや不妊から女性を救う存在とされています。
ただし、この彫刻が聖マルガリタを表しているのか、主婦の守護聖人である聖マルタを表しているのかについては、意見が分かれています。
また、鑑賞者を真っ直ぐに見つめているこの犬にも意味があると言われています。
小型犬は忠心誠の象徴であり、また、子供を望む夫婦の性的欲求を表すものでもある。
この犬は夫が妻に贈った愛玩犬かもしれないとも言われています。
当時、宮廷に出入りしていた裕福な女性たちが愛玩犬を飼うのが一般的だったことから、この犬は夫婦の裕福さと宮廷における地位を示唆しているのかもしれない。
まとめ
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』は、その美しい描写技法だけでなく、謎に包まれた意味や解釈の広がりによって、多くの人々を魅了してきました。
この作品を鑑賞することで、絵画の魅力を深く味わうだけでなく、芸術における象徴やメッセージの重要性に気づくことができるでしょう。
ぜひあなたも『アルノルフィーニ夫妻像』に触れて、その魅力と謎に迫ってみてください
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