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フェルメールの『ヴァージナルの前に座る若い女』を解説!

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ヨハネス・フェルメールといえば、『真珠の耳飾りの少女』など静かな室内画で知られる巨匠。
《ヴァージナルの前に座る若い女》は、彼の晩年に描かれた極めて小さく、簡素な構成ながらも見る者の心を強く捉える一枚です。

本記事では、視線、光、構図に込められた意味とともに、かつての真贋論争や背景情報を交えながら、
この“静けさの中のまなざし”をわかりやすく解説します。

ぬい
ぬい

目が合っただけで、心の中までのぞかれてる気がする…そんな静かさってすごいよね

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作品基本情報

作品詳細

タイトル:ヴァージナルの前に座る若い女(A Young Woman Seated at the Virginals
制作年:1670〜1675年頃
サイズ:25.2 × 20 cm
技法:油彩/キャンバス
所蔵先:ライデン・コレクション(アメリカ・ニューヨーク)
備考:真贋論争があったが、現在は多くの専門家がフェルメールの真作と認定

ぬい
ぬい

ちょっと似た名前の作品もあるけど、これは“若い女”ってわざわざ書いてあるんだね!

この作品は、ヴァージナル(小型の鍵盤楽器)を演奏する若い女性を描いています。
特徴的なのは、演奏の手を止めずに観る者を振り返って見つめているようなポーズ
これはフェルメール作品の中でも特異で、視線の交流に焦点を当てた構成です。

簡単に紹介

・シンプルな背景と明るい壁面が女性の存在を際立たせる

・黄色のショールと光の陰影がやわらかな質感を生む

・ヴァージナルは当時、上流階級の女性が学ぶ教養の象徴

ぬい
ぬい

見つめられてるの、ぬい?って気になるぐらい、目が合っちゃう絵だよね…!

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1. 作品概要

フェルメールの自画像とする説がある。『取り持ち女』の左端の人物。

この絵は、フェルメールが晩年に描いたと考えられている小品で、
ヴァージナルという鍵盤楽器を弾く若い女性がこちらをふと振り返る一瞬を描いています。

背景はすっきりとした灰青色の壁、室内の空気感もシンプルで静か。
しかし彼女の視線には明確な意図と、こちらを見つめ返す力があり、
小さな画面の中に“見る者と見られる者の関係性”が強く込められています。

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2. 見どころ①|ふり返る視線とその「間」

この作品最大の魅力は、演奏する女性が振り向いてこちらを見ていることです。
この視線は、まるで:

  • 「あなた、ちゃんと聞いてる?」
  • 「見てたの、わたしのこと?」
  • 「次、どうする?」

と、何かを問いかけるようでもあり、静かな物語の余白を生み出しています。

しかもこの視線は真正面ではなく、やや目線がズレているのもポイント。
曖昧な表情が、見る人によって全く違うストーリーを想像させてくれるのです。

ぬい
ぬい

あっ、見られてる…!って感じするよね。
ぬい、ちょっと照れちゃう!

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見どころ②|フェルメールらしい光と色彩

左から差し込むやわらかな自然光が、彼女の顔・肩・ドレスにあたって、
フェルメールならではの透明感ある質感と陰影のグラデーションを生み出しています。

  • 黄色いショールは柔らかな絹の質感が表現され
  • スカートの白と陰影には光と影の繊細な描写力が見られます

背景に装飾や画中画が描かれていないため、視線が女性の存在にまっすぐ集中する構成になっています。

ぬい
ぬい

フェルメールさんって、ほんと“光を描く魔法つかい”だと思うんだ〜

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4.見どころ③|シンプルな構成と強い主張

この作品は、フェルメールにしてはめずらしく背景が極めてシンプルで、
他の作品に登場するキューピッドや地図、画中画などが描かれていません。

その分、「誰かを見つめる女性」という主題が強調され、
静かなのに視線を通じた“対話”が生まれるような構成になっています。

背景をあえて省いたことで、むしろ感情の焦点が鋭くなっているのがこの絵の真骨頂です。

ぬい
ぬい

「飾りがないからこそ、“この子の気持ち”が全部こっちに向いてる気がする〜!

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5.豆知識|一度は偽作とされていた?

この作品は、20世紀にはフェルメールの真作ではないとされていた時期がありました。
しかし、2003年にサザビーズによる科学調査と専門家の再評価により、
絵具や技法がフェルメールの他作品と一致すると認められ、現在では多くの研究者が真作と認定しています。

また、構図や女性の姿勢は《レースを編む女》や他の音楽画と類似点が多く、

フェルメールの“典型的な要素”がしっかり詰まった作品でもあります。

ぬい
ぬい

似た作品があると、比べるのも楽しくなってくるね。
ちょっと間違い探しみたいかも!

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まとめ|静けさの中に感情が響く一枚

《ヴァージナルの前に座る若い女》は、小さくシンプルな構成ながらも、
演奏する女性のふとした視線が、見る者の心に問いかけるような力を持つ作品です。

背景の装飾や象徴的なモチーフがないからこそ、
フェルメールが描いた光・空気・感情の微細なバランスがいっそう引き立ちます。

静かに演奏する部屋の中で、ただ一度だけこちらを見つめた――
その一瞬を永遠にとどめたような、時間の止まった音楽画なのです。

ぬい
ぬい

音も声もないのに、“いま何かが起きた”って気がする…
静かなのにドラマチックってすごいよね

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