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レンブラント『若き日の自画像』を解説!光と影に揺れる若きまなざし

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巨匠レンブラントが20代前半で描いたこの小さな自画像には、まだ世に知られる前の、不安と探求に満ちた“ひとりの青年”の姿が写し出されています。

顔の半分は深い影に沈み、視線は定まらず、まるで自分自身を問いかけるかのような静けさ。
ここには、後年の劇的な肖像画とは異なる、“レンブラントになる前のレンブラント”が息づいています。

本記事では、この《若き日の自画像》に隠された光と闇の構成、視線の操作、そして芸術家としての出発点を、わかりやすく丁寧に解説します。

ぬい
ぬい

偉大な画家の原点的作品

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作品基本情報

作品詳細

タイトル:若き日の自画像(Zelfportret op jeugdige leeftijd
制作年:1628年頃
サイズ:22.6 × 18.7 cm
技法:油彩/オーク板
所蔵先:アムステルダム国立美術館

ぬい
ぬい

若き日の自画像ってタイトル面白くない?
いつつけた名前なんだろう?

簡単に紹介

・20代のレンブラントが鏡を見て描いた練習作。
・強い明暗表現に、後のスタイルの片鱗が見える。
・ちょっとやんちゃな表情も魅力のひとつ。

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背景|若き日のレンブラントと自画像への執着

レンブラントの自画像

レンブラントは生涯でおよそ80点近い自画像を残した画家としても知られています。
それは単なる“自己の記録”ではなく、光と影、表情、人物描写の実験場として自画像を活用していたからです。

この作品は彼が20歳代前半、まだライデンにいた頃のものであり、
後の巨匠の名声も技術もまだ確立されていない時期に描かれました。

ぬい
ぬい

80点!?すごい!!!

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見どころ①|輪郭を闇に沈める異例の構図

この自画像でまず目を引くのは、顔の半分以上が暗闇に沈んでいることです。
通常、肖像画は人物の顔を明るく見せるのが基本ですが、
レンブラントはここであえて強烈な陰影(キアロスクーロを用い、光と闇の対比を極限まで追求しています。

顔の右半分は完全に光にさらされ、赤みを帯びた頬や唇、耳が印象的に浮かび上がる。

一方、左半分はほとんど見えず、“影の中に存在する自分”を思わせます。

これは、単に技術を試しているだけではなく、
若き芸術家の「自分とは何者か」という内省の現れとも解釈できます。

ぬい
ぬい

光の中と闇の中、どっちも“自分”っていうのが、なんか…深いよね…!

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見どころ②|背景の簡素さと画面の集中

背景はグレーがかった無彩色の壁だけ。
華やかな装飾も、小道具もない。
これは、画面の焦点を完全に「顔の陰影と表情」に集中させるための演出です。

レンブラントはここで、表情のドラマではなく“存在感そのもの”を描こうとしているのです。
つまり、「どう見られたいか」ではなく「どう“ある”のか」。

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豆知識|この自画像は“実験作”だった?

この時期のレンブラントは、ライデン大学近くで独学に近いかたちで修業を重ねており、
多くの光の研究や鏡を使った“即興的な肖像”を描いていました。

この《若き日の自画像》もそのひとつであり、

強い側光

わざと均一でない肌のトーン

絵筆のタッチのざらつき

など、のちの写実性や心理描写の出発点として位置づけられます。

ぬい
ぬい

原点的な作品なのかな?


所蔵と保存状態について

この作品は現在、アムステルダム国立美術館に所蔵されています。
板に描かれているため、長年の保存状態によって若干のクラック(ひび)や黄変もありますが、
修復を経て、現在でも鮮明な陰影が確認できます。

ぬい
ぬい

現在でも鮮明に見れるのありがたすぎる。

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まとめ|「自分を描く」ということの本質

《若き日の自画像》は、レンブラントが画家として自分を見つめ、
“他人からどう見えるか”ではなく、“自分が何者であるか”を問いかけた絵です。

後年の自画像のように感情を全面に出すでもなく、
美しく装飾的な肖像でもないこの作品には、
芸術とは、見ることではなく、見つめ返すこと」という若きレンブラントの思想が表れています。

ぬい
ぬい

なんか、“これから何になるかまだ分からない顔”って感じ…それが逆にかっこいいかも

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