スポンサーリンク

ゴッホ《浜辺の漁船、サント=マリー=ド=ラ=メールにて》を解説!

アフィリエイト広告を利用しています。
ポスト印象派
スポンサーリンク

アルルに到着して3か月。ゴッホは地中海に面した小村サント=マリー=ド=ラ=メールへ短い旅に出ます。
乾いた浜風、眩しい光、カラフルな小舟。素早い線と厚い絵具が渦を巻く空や波のリズムをつかみ、南仏の明るさをそのまま画面に定着させました。
本作は、その旅で得た多数の素描と色のメモをもとに、6月にアルルで仕上げられたと考えられている一点です。

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」で来日する作品です。

【生涯を知りたい方はこちらがおすすめ】

ゴッホの人生を年表で徹底解説!作品と出来事からたどる波乱の生涯

ぬい
ぬい

潮の匂い、絵から飛んでくるね

だろ? 風まで筆致で描き込みたかったんだ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

《浜辺の漁船、サント=マリー=ド=ラ=メールにて》

まずは簡単に作品の情報を紹介します。

作品詳細

作品名:浜辺の漁船、サント=マリー=ド=ラ=メールにて

制作:1888年6月、アルル滞在中

技法:油彩/カンヴァス

サイズ:65.0 × 81.5 cm

所蔵:ファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)

ぬい
ぬい

サイズもしっかり、存在感あるね

横長で砂浜の広がりを効かせてるんだ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

南仏の海へ――一週間の小旅行が生んだモチーフ

1888年5月末から6月初め、ゴッホは「地中海を見たい」という長年の願いをかなえて、アルルから日帰り圏の漁村サント=マリー=ド=ラ=メールへ。
滞在はおよそ一週間。港や浜辺で多くのスケッチを重ね、戻ってから油彩に仕上げています。ハーグ時代に繰り返し通ったスヘフェニンゲンの海景研究を、南仏の強い光の下で一気に更新した旅でした。

ぬい
ぬい

短い旅でも成果が濃い!

毎日描き倒したからね。潮で紙が波打つくらいさ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

構図と色――船体の曲線、波の渦、空のストローク

画面手前には赤・緑・青の小舟が斜めに並び、マストや櫂が交差してリズムをつくります。
遠景には帆を膨らませた船がいくつも沖へ。空は短いストロークが円弧を描くように走り、砂浜の斜線は海へと視線を導きます。
補色関係(赤×緑、青×黄)を積極的にぶつけ、地中海のまばゆい光量を色の対比で鳴らす。輪郭線はやや強く、形を明快に押さえています。

ぬい
ぬい

筆あとまで躍ってる!

風の音、ザザッてストロークで聞かせてるんだ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

手紙が語る制作プロセス――素描から油彩へ

この時期の書簡には、砂や風で現場の油彩制作が難しく、素描や色メモを大量に取り、アトリエで落ち着いて油彩に仕上げる段取りが記されています。
透視枠(パースペクティヴ・フレーム)を使って船の複雑な交差を正確につかみ、戻ってから厚塗りで量感を与える。現地の即興と、アトリエでの構築的な仕事が噛み合って、本作の密度が生まれました。

ぬい
ぬい

下準備あってのスピード感なんだね

そう。速く描くための遅い準備ってやつさ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

文字とサイン――画面の“読みどころ”

手前の黄色い箱や浮子のような小物には“Vincent”のサインが記され、浜の空気感を演出します。
また、手前の小舟の舷側には
“AMITIE(友情)”と読める文字が見え、現地の船名をそのまま写し取りつつ、画面にちょっとした物語性を添えています。
絵具はところどころ厚く盛られ、船体の木肌や波打ち際の泡は触覚的です。

ぬい
ぬい

サインも風景の一部だね

ここに立って描いた証拠を、画面に刻んでおきたかったんだ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

浮世絵との響き合い――平面化と装飾性

遠景の海と空は面で押さえ、輪郭線で形を閉じる処理が際立ちます。
これは、アルル時代に熱を帯びた日本の版画研究の成果のひとつ。平面化された色面と明快な線、そして大胆な省略が、南仏の光と出会って装飾性と即興性に弾みをつけました。

ぬい
ぬい

南仏×日本、意外な相性の良さ!

明るい光には、はっきりした線と色が似合うんだよ

レゴッホ
レゴッホ
スポンサーリンク

おすすめ書籍

「ゴッホについて本で学びたいけど、どんな本が自分に合っているのかわからない」そんなお悩みを持つあなたへ贈る、ゴッホ入門編の本をご紹介します!Top5は別記事で紹介しています。

【関連記事】

ゴッホの本ランキング!初心者におすすめのわかりやすい5選!

まとめ――“動く風景”を止めない絵

空・風・波・帆。すべてが動く海辺で、ゴッホは動きそのものを線と色で繋ぎとめました。
旅の昂揚と現場の湿気、手紙に残した段取りのリアルさまで、絵の肌に残る一枚です。

ぬい
ぬい

見てると潮騒が蘇るわ

じゃ、次は港の夜も見に行こうぜ

レゴッホ
レゴッホ

【関連記事】
ゴッホのアルル時代の作品まとめ!色彩が目覚めた南仏の2年間
【ゴッホの人生ガイド】エッテン・ハーグ・ドレンテを経てヌエネンへ
【ゴッホの人生】パリ時代完全解説!印象派との出会いと色彩革命
ゴッホのオーヴェル時代を完全解説!最期の70日と死の真相に迫る
ゴッホの人生を年表で徹底解説!作品と出来事からたどる波乱の生涯

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました