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レンブラントの自画像一覧!初期~晩年その変遷や特徴に迫る!

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17世紀オランダの巨匠レンブラント・ファン・レインは、風景でも宗教画でもなく、「自分自身」をもっとも多く描いた画家として知られています。約40年にわたって描き続けられた自画像の数は、油彩・素描・エッチングを合わせて80点近く。若き日の実験的な習作から、成功期の自信あふれる肖像、そして晩年の沈黙と深いまなざしに至るまで、それらはまさに「生きること」を描いた連続絵巻のようです。

この記事では、そんなレンブラントの自画像を初期から晩年まで年代順に紹介し、それぞれの時期の特徴や心の変化にも迫っていきます。変わりゆく顔の表情と筆づかいをたどれば、きっとあなたも「絵で描かれた人生」の深さに触れられるはずです。

ぬい
ぬい

さぁ美術の旅に出かけよう!

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はじめに:なぜこれほどまでに自分を描いたのか?

17世紀オランダの巨匠、レンブラント・ファン・レイン。彼は絵画の歴史において、もっとも多くの自画像を残した画家のひとりです。現在確認されているだけでも、自画像は油彩、素描、エッチングなどを含めて約80点にものぼります。これは単なる自己満足や練習のためではなく、彼の人生そのものを鏡に映すように描き出した記録とも言えるものです。

レンブラントの自画像には、若き日の希望、名声を得た中年期の誇り、晩年の苦悩と悟り──あらゆる感情と人生の段階が詰まっています。彼の自画像をたどることは、17世紀の一人の人間がどのように世界を見ていたかを追体験することでもあります。

このブログでは、そうしたレンブラントの自画像を、できるだけ多く、年代順に紹介していきます。絵そのものに焦点をあて、作品ごとの特徴や所蔵情報を交えながら、彼が「なぜ自らを描き続けたのか」にも迫っていきましょう。


ぬいのコメント:
レンブラントって、たくさんの自画像を描いてたんだね。まるで日記みたいに、そのときどきの気持ちをキャンバスに残してるのが面白いよ!

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1620年代:修業時代のレンブラント、自分を実験台に

レンブラントが最初に自画像を描いたのは20歳そこそこの頃。当時の彼はライデンという学術都市で修業をしており、画家としてまだ駆け出しでした。この時代の自画像には、名声も注文もない若者が、自分の顔を使って技術を磨いていた姿が見えます。表情や陰影、筆遣いの練習として、自らを鏡に映しながら繰り返し描いたのです。

『若き日の自画像』1628年頃

『笑うレンブラント』1628年
『自画像』1629年
『自画像』1629年頃
『自画像』1629年頃
『自画像』1629年頃
ぬい
ぬい

まだ若いレンブラントが、自分の顔でいろんな表情の練習をしてたんだね。
お金もモデルもいらないし、自分の顔なら何度でも使えるってことかも!

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1630年代:成功の兆しと演出された自己像

1631年、レンブラントは生まれ故郷ライデンを離れ、オランダの商業都市アムステルダムへと活動の拠点を移します。この移住が彼の人生とキャリアに大きな転機をもたらしました。肖像画家としての注文も増え、裕福な商人や知識人たちとの関係も深まっていきます。

この時期の自画像には、技術的な円熟とともに、「画家としての自分をどう見せたいか」という強い意図が表れています。豪華な衣装や堂々としたポーズは、彼がすでに画家としての自信と誇りを持っていたことを示しています。

『自画像』1630年
『自画像』1630年

『若い男としての自画像』1630-1631年
『オリエンタル衣装の自画像』1631年頃
『自画像』1632年
『自画像』1634年
『ベルベットのベレー帽の自画像』1634年
『酒場のレンブラントとサスキア(放蕩息子)』1635年
『自画像』1639年
ぬい
ぬい

この頃のレンブラント、自信満々な感じだね!
羽飾りとか金の鎖とか、ちょっと盛ってるけど、それもまた面白いよね。

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1640年代:名声と転機、陰りが差し始める自画像

1640年代はレンブラントにとって名声の絶頂と、そこから静かに崩れはじめる転機の時代でした。彼は多くの注文を受け、アムステルダムの高級住宅地に居を構えるほどの成功を収めました。しかし、1642年に愛妻サスキアを亡くすと、その作品や自画像にも徐々に重たく静かな雰囲気が漂い始めます。

この時期の自画像には、名声を確立した芸術家の風格と、失われた幸福への追憶が共存しており、彼の内面の複雑な変化を如実に映し出しています。

『34歳の自画像』1640年
『フラットキャップの自画像』1642年
『帽子と2つのチェーンを身に着けている自画像』1642-1643年
『自画像』1645年

『自画像』1645-1648年
ぬい
ぬい

このあたりから、レンブラントの表情がちょっとずつ変わってきてる気がするね。
悲しいことがあっても、それをそのまま絵に込めるって、すごく正直な人だったのかも。

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1650年代:転落と再起のはざまで、真の自分を描く

1650年代に入ると、レンブラントはかつての栄光を急速に失いはじめます。愛妻サスキアを亡くした後、生活は不安定となり、経済的な困窮、再婚問題、息子ティトゥスの養育など、私生活でも数々の困難に直面しました。さらに、豪邸のローンや投資の失敗により、ついには破産。かつて彼の絵を欲しがったパトロンたちは、次第に離れていきます。

しかし、この時期のレンブラントの自画像には、技術的な円熟を超えた“真の人間の深み”が刻み込まれています。虚飾を脱ぎ捨て、絵の中には老い、疲労、そしてどこかの覚悟が宿るようになります。

『大きな自画像』1652年
『小さな自画像』1657年頃

『自画像』1658年
《自画像》1659年頃
ぬい
ぬい

この頃のレンブラント、自分のことをよく見つめてたんだね。
かっこいい服も飾りもなくても、すごく強くて深い絵になってると思うな。

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1660年代:晩年、すべてを受け入れた自画像

1660年代、レンブラントは人生の終盤を迎えます。破産後の生活は質素になり、かつての豪邸を失った彼は、息子ティトゥスと愛人ヘンドリッキエと共に控えめな暮らしを続けました。しかし、絵筆は彼の手から離れませんでした。晩年のレンブラントが描いた自画像は、もはや他人の目を意識したものではなく、自らの魂と向き合った真の肖像です。

この時代の作品には、技巧を見せびらかすような要素は一切ありません。むしろ、老いの現実や静けさ、そして生への静かな諦念と、それでもなお生きる意志がにじみ出ています。

『自画像』1660年
『使徒パウロとしての自画像』1661年
《自画像》1665年
『ゼウクシスとしての自画像』1668年頃
『自画像』1669年
『自画像』1669年

ぬい
ぬい

レンブラント、最後の最後まで、自分をちゃんと描いてたんだね。
きっと、絵を描くことが、生きることそのものだったんだろうなって思ったよ。

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豆知識まとめ:レンブラントと自画像にまつわるトリビア

なぜそんなにたくさん自画像を描いたの?
レンブラントの自画像の多さは、17世紀の画家としては異例です。

一説には、感情表現の練習や構図の研究、画家としての自己プロモーションのためとも言われていますが、何よりも「自分という存在を通じて、人間の深さを描こうとした」姿勢があったと考えられます。

ぬい
ぬい

今の時代を生きていたら毎日自撮りしてSNSに投稿してそう。

鏡を見て描いたって本当?
自画像は基本的に鏡を見ながら描かれたため、左右が反転しています。

たとえば、右手に筆を持っているように見えても、それは左利きという意味ではありません。

また、版画ではさらに版が反転するため、結果として正しい左右になることもあります。

ぬい
ぬい

なるほど、なるほど。
完全に理解した。

他の画家もそんなに自画像を描いてたの?
ダ・ヴィンチやラファエロ、カラヴァッジョといった画家たちは、自画像をほとんど残していません。レンブラントのように「人生を通して描き続けた」画家は非常に稀です。

近代以降になって、ゴッホやフリーダ・カーロなどが同様の姿勢を見せるようになりました。

ぬい
ぬい

合っても数枚だよね。

自画像って売り物じゃなかったの?
自画像は基本的に自分のために描かれるものなので、市場に出ることはまれでした。

しかしレンブラントの場合、版画の自画像はある程度商業的にも流通していたと考えられています。

とくにエッチングはコレクターたちの間で人気がありました。

ぬい
ぬい

需要があればいっぱい描くか。

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レンブラントの自画像から見える人生

レンブラントが残した約80点の自画像。それは単なる「自己を描いた記録」ではありませんでした。若き日の表情習作に始まり、成功を誇示する豪奢な装い、愛する者との幸せな瞬間、経済的破綻の中での苦悩、そして老いと死を前にした沈黙と誠実。自画像は、レンブラントという人間の「生きざま」そのものだったのです。

他の画家たちが注文主の要求に応え、他者の姿を描いていた時代に、レンブラントは自分自身をモデルに選び続けました。それは、時代や社会に翻弄されながらも、ひとりの人間として、常に自分の感情や存在を問い続けた結果でした。

また、彼の自画像には一貫して「飾らない強さ」があります。若い頃の芝居がかったポーズも、晩年の沈黙も、すべてがその時の彼の“ほんとう”を映し出しています。こうした姿勢が、今日の私たちにも深く訴えかけてくる理由でしょう。

もしかしたら、レンブラントは現代の「セルフィー文化」を先取りしていたのかもしれません。ただし彼は、誰かに見せるためではなく、もっと根源的な「自分とは何者か」を確かめるために、自分を描き続けたのです。


ぬい
ぬい

レンブラントの自画像って、ただの絵じゃなくて、ひとりの人の人生をそのまま見てる感じがしたよ。全部読み終わって、なんだか胸がいっぱいになったな。

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