スポンサーリンク

レンブラントの『羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー』を解説

アフィリエイト広告を利用しています。
バロック
スポンサーリンク

レンブラント・ファン・レインといえば、《夜警》や《解剖学講義》のような大作が思い浮かぶかもしれませんが、
実は“誰でもない誰か”を描いた、実験的な人物画「トローニー」にも数多く取り組んでいます。

本記事でご紹介する《羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー》は、
華やかな衣装と鋭い視線、そしてレンブラントらしい光の演出が魅力の1枚。
いったいこの男は何者なのか?その表情に隠された秘密とは?

トローニーというジャンルの意味から、この作品の見どころまで、
初心者にもわかりやすく解説していきます。

ぬい
ぬい

“この人、誰?”って思うけど、わからないからこそ、なんか惹かれちゃうよね!

スポンサーリンク

作品情報

レンブラント『羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー
作品詳細

タイトル:羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー
制作年:1635-1640年ごろ
サイズ:62.5 × 47 cm
技法:油彩/板
所蔵先:アウリッツハイス美術館(デンマーク)

ぬい
ぬい

“だれ?”って思うけど、“なんかすごい”って感じが伝わるのがトローニーの不思議

簡単に紹介

・レンブラントが描いた、豪華な羽根飾りの帽子をかぶる男性の胸像画。
・モデルの正体は不明で、光と衣装の描写に焦点を当てたトローニー(表情研究画)です。
・劇的な照明と質感描写が、見る者の想像をかき立てます。

スポンサーリンク

トローニーとは?|肖像画じゃない“顔”の芸術

この作品は「トローニー」と呼ばれるジャンルに属します。
トローニーは、肖像画とは異なり、**実在の人物を描くことよりも、表情・衣装・光の表現に重点を置いた“人物研究画”**です。

モデルは無名の人物や画家自身であることも多く、「誰を描いたか」よりも「どう描いたか」が重視されます。

レンブラントはトローニーを数多く描いており、表情の練習、衣装の描写、光の操作などをこのジャンルで試みました。

スポンサーリンク

見どころ①|羽根付き帽子と衣装の豪華さ

この作品でもっとも目を引くのは、大きな羽根飾りがついたベレー帽と、金の縁取りがついた黒いマントです。

これは当時のオランダの日常的な服装ではなく、演劇や幻想的なテーマに用いられた**“仮装的な衣装”**と考えられています。

このような衣装は、トローニーのジャンルでよく見られるモチーフであり、
異国風・歴史風のスタイルを通して、視覚的なインパクトと質感の描写力が問われます。

ぬい
ぬい

この帽子、めっちゃ大きいしカッコいい!中身も気になるけど、まず“見た目で勝ち”だよね!

スポンサーリンク

見どころ②|顔に当たる光と“視線の距離感”

レンブラントのトローニーの魅力は、顔への光のあて方と、目線の微妙なズレにあります。
この作品でも、画面左上から斜めに光が入り、顔の一部だけが浮かび上がるように描かれています。

そのことで、表情のすべてを明かさず、見る者に“この人、何を考えてるんだろう?”と想像させる余白が生まれています。
目線はやや遠くを見つめていて、鑑賞者と直接視線が合うわけではありませんが、むしろそれが内面的な深みを感じさせます。

スポンサーリンク

見どころ③|レンブラントらしい筆致と色彩

レンブラント『羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー

このトローニーでは、顔と衣装、背景の描き分けが非常に明確です。
顔には細密な筆致が使われ、皮膚の質感や目の周りの影まで丁寧に表現。
一方で、衣装や帽子には筆の勢いを感じさせるラフなタッチも見られます。

背景は暗く抑えられており、人物がより立体的に見えるように設計されています。
このような手法は、ルーベンスの影響を受けつつも、レンブラント独自のリアリズムとして昇華されています。

スポンサーリンク

豆知識|このモデルは誰?

この男性の身元はわかっていません。
ただし、多くの研究者が「レンブラント自身の顔に似ている」と指摘しており、
彼が自分をモデルにしながら、衣装や演出を変えて**“架空の人物”を作り出していた**可能性が高いと考えられています。

実際、レンブラントは数十点の自画像を残しており、トローニーのジャンルでもしばしば自分の顔を借りて感情や衣装の練習を行っていました。

スポンサーリンク

まとめ|“描き方”に焦点を当てた顔の芸術

《羽根飾りのある帽子をかぶる男のトローニー》は、単なる肖像画ではありません。
モデルの正体や背景よりも、衣装・光・表情といった“視覚的な研究”のための作品なのです。

レンブラントはこのようなトローニーを通して、光の表現や筆のタッチ、感情の描き方を磨き続けました。
そこには、描かれた“誰か”よりも、「どう描くか」への情熱が詰まっています。

ぬい
ぬい

この人が誰か分からなくても、“絵としてのかっこよさ”が伝わってくるのってすごいよね!

レンブラントの代表作についてはリンクをクリック!

タイトルとURLをコピーしました