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フェルメールの風景画『デルフトの眺望』をわかりやすく解説!

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ヨハネス・フェルメールといえば、静かな室内画や「真珠の耳飾りの少女」で知られていますが、

彼の作品のなかでひときわ異彩を放つのが、風景画『デルフトの眺望』です。
町を描いただけの絵に見えて、その中には光と空気、そして時間までもが封じ込められています。

本記事では、フェルメールが描いた唯一の現存する風景画『デルフトの眺望』について、
その構図や光の表現、描かれている場所などを初心者にもわかりやすく解説します。

ぬい
ぬい

ふつうの町なのに、どうしてこんなにしずかで大きな気持ちになるんだろう…

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作品基本情報

作品詳細

タイトル:デルフトの眺望(View of Delft)
制作年:1660〜1661年頃
サイズ:96.5 cm × 115.7 cm

技法:油彩/キャンバス

所蔵先:マウリッツハイス美術館(オランダ・ハーグ)


ぬい
ぬい

まちを見てるだけなのに、なんでこんなに心がしずかになるんだろう…

簡単に紹介

故郷デルフトの街を穏やかな光の下で描いた、数少ない風景画。
重厚な雲と川面に映る街並みが、静かな詩情をたたえている。
フェルメールの卓越した観察力と光の表現が際立つ傑作。

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作品概要|フェルメールが描いた故郷デルフトの姿

フェルメールの自画像とする説がある。『取り持ち女』の左端の人物。

『デルフトの眺望』は、フェルメールが生まれ育ったオランダ・デルフトの町を描いた、
彼唯一の現存する風景画です。

画面にはスヒー運河とその向こうに並ぶ町の建物、雲の流れる空が描かれており、
フェルメールらしい静けさと光の描写によって、日常の都市風景が荘厳で詩的な世界に昇華されています。

構図・陰影・空気感すべてが高い完成度をもち、ヨハネス・フェルメールの芸術観が色濃く反映された作品です。

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どこを見たら面白い?|構図と光の演出

左右のバランス

画面は左右で明暗が分かれており、右は日光が当たり、左は影の中。
このコントラストが町並みに静かなドラマ性を与えています。

建物の細部
建物の壁や屋根、塔の影などは、非常に繊細に描かれており、フェルメールの観察力と忠実さが感じられます。

空と水面の描写
穏やかな水面には建物の影がぼんやり映り、空の雲は静かに流れている──
動きのない風景の中に、ゆるやかな時間の経過が感じられるよう構成されています。

ぬい
ぬい

ほんとに風が吹いてるみたい…
空の奥まで続いてる感じがすごいよ!

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フェルメールらしさ|風景画でも“静けさ”を描く

フェルメールは主に室内画で知られていますが、この風景画でも彼らしさは際立っています。

音が消えたような空間表現
まるで時間が止まったような空気感。人の姿も遠景に小さくしか描かれず、町そのものが主人公となっています。

精緻な観察と誠実な描写
フェルメールは遠近法を過度に強調することなく、
観察に基づいたリアリズムを丁寧に積み上げて、町の“存在感”を描き出しました。

宗教も神話もなく、ただ「町」
フェルメールはここで、デルフトという現実の町に崇高な静けさを見出しているのです。

ぬい
ぬい

なにげない風景が“こんなにすごい”って思えるの、フェルメールさんのまなざしだね

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豆知識|デルフトのどこを描いたのか?

『デルフトの眺望』は、デルフトのスヒー運河沿いの南側(Kolk)から北方向を見た構図と考えられています。

描かれている建物は実在のものが多く、中央右に見える塔は新教会(Nieuwe Kerk)、左に**ロッテルダム門(Rotterdamse Poort)**があります(現在は門は失われています)。

17世紀の地図と照らし合わせると、フェルメールはこの構図を実際の視点から描いた可能性が高く、
風景を“理想化”せず、忠実な観察と詩的な表現を両立させたことがわかります。

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まとめ|静かな町に宿る永遠のまなざし

『デルフトの眺望』は、フェルメールにとって風景画でありながら、
その本質はやはり「静謐とまなざしの絵画」です。

歴史的事件も宗教的な主題も描かれていません。
それでもこの作品は、見る者の心をしずかに満たし、長く記憶に残る不思議な力を持っています。

フェルメールが見つめた町の空気を、あなたも感じてみてください。

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