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フェルメールの『リュートを調弦する女』をわかりやすく解説!

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ヨハネス・フェルメールといえば、静かな室内画や「真珠の耳飾りの少女」で知られていますが、

その代表的な音楽モチーフ作品のひとつが『リュートを調弦する女』です。

リュートに手を添えながら、ふと視線を遠くに向ける若い女性。
音がまだ鳴っていないこの“準備の瞬間”には、沈黙の中に感情や物語の気配が漂っています。

この記事では、この作品の構図、視線、光の表現などを、初心者にもわかりやすく解説
フェルメールが音楽と静寂をどのように描いたのかを、一緒に見ていきましょう。

ぬい
ぬい

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作品基本情報

作品詳細

タイトル:リュートを調弦する女(Young Woman Tuning a Lute)
制作年:1662〜1663年頃
サイズ:51.4 cm × 45.7 cm 

技法:油彩/キャンバス

所蔵先:メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)


ぬい
ぬい

音はまだ出てないのに、もう音楽がはじまってる気がする…!

簡単に紹介

音楽の準備をする女性が、ふと遠くを見やる一瞬をとらえた作品。
楽器、地図、窓からの光が室内に物語性を与えている。
恋や憧れを感じさせる、静かで詩的な空気が漂う。

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作品概要|静寂の中で音を探る瞬間

フェルメールの自画像とする説がある。『取り持ち女』の左端の人物。

『リュートを調弦する女』は、ヨハネス・フェルメールが1660年代に描いた室内画で、
音楽をテーマにしながらも、実際には“演奏の準備”という静かな瞬間が描かれています。

リュートに手をかけ、視線はどこか部屋の外へ──。
この一瞬の中に、期待・集中・気配のやりとりといった、言葉にならない感情が詰まっています。

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見どころ|視線、構図、小道具

女性の視線

女性は観る者の背後か、あるいは部屋の外にいる何者かを見ているようにも感じられます。
誰かの存在を待っているような、その視線が画面に緊張感と物語性を与えています。

構図のバランス

テーブルと地図、光が入る窓、中央に人物。フェルメール特有の安定した三分割構成です。
遠近感と人物配置の絶妙なバランスが、画面を自然で落ち着いたものにしています。

室内の小物たち
テーブルの上の楽譜、リュート、カーテン、地図などは、当時の生活の様子や知識階級の教養を反映しており、
女性が単なる娯楽で音楽をしているのではなく、ある種の教育や感情交流の手段としてリュートに向き合っていることを示唆します。

ぬい
ぬい

この人、誰かが来るの待ってるのかな…
“音合わせ”だけじゃない時間が流れてそう

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フェルメールらしさ|沈黙の音楽を描く

この作品でも、フェルメールらしい特徴がいくつも見られます。

音が聞こえない“音楽画”
フェルメールは音楽を描くとき、演奏中よりも“始まる前”や“終わった後”の静けさを好みました。
この絵も、まさに音楽がまだ生まれていない、でも心は鳴っている瞬間です。

自然光と空気感
左から差し込む自然光が、人物の顔・リュート・背景のカーテンにやさしい陰影を与え、
部屋の中に柔らかな静寂と温度を生み出しています。

視線の外に広がるストーリー
観る者を見ない人物配置は、フェルメールがよく用いた手法。
観客は自然と彼女の視線の先を想像し、絵の外にあるドラマを感じ取ることになります。

ぬい
ぬい

フェルメールさんの音楽って、いつも“しずかで心で聴く”って感じだよね

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豆知識|リュートの象徴とフェルメールの音楽モチーフ

リュートは恋愛・調和の象徴として、17世紀絵画でしばしば使われました。
ただしこの絵では、恋人との関係を明確に描くモチーフは省かれており、あくまで気配のやりとりにとどまっています。

背景の地図は、フェルメール作品にしばしば登場する小道具で、
この場合は人物の内面と広い世界とのつながり、あるいは精神的な遠さ・隔たりを暗示していると解釈されることがあります。

この絵はフェルメールのなかでも比較的色彩が控えめで、静かな詩のような作品として評価されています。

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まとめ|まだ音が鳴る前の「気配の絵画」

『リュートを調弦する女』は、演奏の瞬間ではなく、音楽が生まれる直前の“間”を描いた絵です。

フェルメールは、人物の動きや表情よりも、
空間にただよう沈黙・視線・光を通して、感情や物語をそっと伝えてきます。

“聞こえないはずの音”が心に響いてくるこの作品、
ぜひ静かな気持ちでじっくり向き合ってみてください。

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