こんにちは、美術愛好者の皆さん。今回は、ルネサンス盛期の巨匠ラファエロ・サンティがルネサンス期の芸術の粋を尽くした傑作、『システィーナの聖母』について熱く語りたいと思います。
このサイトのどこか1記事にピンク色の僕がいるよ!
見つけたらラッキー!ぜひ探してみてね!!!!
構成
中央で聖母マリアが幼児キリストを抱きかかえてそれを挟むように聖シクストゥスと聖バルハラが両脇に描かれている。マリアは雲の上に立ち、下にはな天使が描かれてい頬杖をつきどこか退屈そうな二人の天使が描かれている。
作品名 | システィーナの聖母 |
作者 | ラファエロ・サンティ |
制作年 | 1513~1514年頃 |
技法/素材 | キャンバスに油彩 |
サイズ | 265cm×196cm |
所蔵 | アルテ・マイスター絵画館、ドレスデン |
制作背景
『システィーナの聖母』は、ラファエロ・サンティによって制作された絵画で、1513年から1514年にかけて制作されました。この絵画は、ラファエロがローマのサンシスト聖堂(Basilica di San Sisto)の祭壇画として制作されたものです。
制作の背景には、当時の教皇ユリウス2世が関与しています。教皇はサンシスト聖堂の改修を計画し、その一環としてラファエロに祭壇画の制作を発注しました。この絵画は聖堂の中心的なアートピースとして、信仰の象徴としての位置づけがされました。
ラファエロはこのプロジェクトにおいて、芸術的な才能を発揮し、理想化された美と調和を追求しました。絵画は聖母マリアと幼子イエスを中心に据え、周囲には聖人や天使が配置されています。この作品はラファエロの最高傑作の一つとされ、サンシスト聖堂の祭壇に相応しい神聖な雰囲気を演出しています。
計算し作れた構図
『システィーナの聖母』の構図は、ラファエロの芸術的巧妙さと調和を見事に表現しています。絵画の中心には、聖母マリアが優雅なポーズで立ち、左手で幼子イエスを抱いています。彼女の表情は柔らかく、神聖でありながらも母親の愛情が感じられます。
聖母子の姿勢はピラミッド形に配置され、この構図は安定感や調和を強調しています。ラファエロは巧みに人物たちを配置し、バランスを保ちながらも深い感情表現を追求しました。
周囲に描かれた聖人や天使たちも、絵画全体の調和を助長しています。それぞれのポーズや視線が統一感を醸し出し、神聖でありながらも自然な美が感じられます。また登場人物の頭を繋ぐと十字架にもなっています。
この計算つくされた構図は観る者に穏やかで感動的な印象を与え、ラファエロが理想化された美を描く上での巧妙な手法を示しています。
登場人物
『システィーナの聖母』で描かれている登場人物を紹介します。
聖母マリア
一般的な宗教がでは慈愛に満ちた表情で描かれるが本作では厳しい顔をして描かれています。
その理由は、この絵の前の祭壇画では中央にキリスト磔刑画が描かれていたこと反映したからだと考えられています。
このマリアは、抱いているイエスの将来の運命を常に見させられていると考えると微笑めないのも納得ですね。
絵だけでストーリーを完結させずに、おかれる場所を考慮してマリア様の表情に反映させているの凄すぎない!?
イエス・キリスト
宗教画における幼子のイエス・キリストは、キリスト教の信仰や教義を視覚的に表現するための象徴的な要素としてよく描かれます。
通常、彼は無垢や純粋さの象徴とされ、神聖な存在として描かれます。
また、幼子の姿で表現されることで、キリストの人間性や神秘性への信仰が強調されます。
聖シクストゥス
聖シクストゥスは、キリスト教の歴史で重要な聖人の一人で、特にカトリック教会で崇敬されています。
彼はローマの教皇であり、教会史においては第7代教皇とされています。彼には聖母マリアの教皇としての役割が特に強調され、聖シクストゥスの描写は聖母マリアや幼子イエスと一緒に表現されることがあります。
聖シクストゥスは、発注主のユリウス2世の叔父のシクトゥス4世の守護聖人であり、ユリウス2世にとってはとても重要な人物です。そんな本作の聖シクストゥス顔は発注主のユリウス2世をモデルにしています。
また、よく見るとユリウス2世の出身であるデッラ・ローヴェレ家の紋章である樫の木の葉っぱの模様が描かれていたり、左下の王冠の先端にはどんぐりが描かれており、発注主であるユリウス2世が喜ぶ仕掛けがちりばめられています。
さすがラファエロ!めっちゃ忖度!!!!
聖女バルバラ
聖女バルバラは、キリスト教の聖人で、カトリック教会や正教会で崇敬されています。
伝承によれば、彼女は3世紀のローマの聖女で、父親によって塔に幽閉された後、キリスト教への信仰を守り続け、最終的に殉教したとされています。
バルバラは建築や爆発物の守護聖人と見なされ、芸術作品では塔や聖杯を持つ姿で描かれることがあります。
天使たち
天使たちは聖母マリアとイエス・キリストに向かって優しく微笑み、手を差し伸べる姿勢で描かれています。
これは慈愛と保護の象徴と見なされ、聖母と子供に対する神聖な愛情を表現しています。
無数の謎の顔
背景に注目してみてください。無数の顔が緑のカーテンの影に浮かび上がっています。
この顔についても諸説あり「生まれる前の赤ちゃん」、「天使の顔」などと言われています。
この無数の顔は『フォニーニョの聖母』でも登場しています。
まってよく見たらめちゃめちゃ顔あるよ!!!
怖い!!!!
【関連記事】
作品よりも有名な天使
『システィーナの聖母』の下にいる二人の天使は、特に有名であり様々な場所で見かけられます。作品の知名度よりもこの天使二人のほうが有名なのではないでしょうか?
ああ、無性にドリア食べたくなってきた。
この二人の天使のモデルについては、様々な説がありラファエロが街で見かけたパン屋の窓をのぞき込む子供や制作の際に見学に来たモデルの女性の子供たちがモデルとなったとされる説があります。
サイゼリヤの絵
本作はサイゼリヤの絵としても知られてた方も多いのではないでしょうか?
他のサイゼリヤで鑑賞可能な作品に記事についてまとめてある記事もありますので、興味のある方は是非見てみてください。
謎多き作品
上記で解説した「天使のモデル」や「無数の謎の顔」以外にも『システィーナの聖母』には明確にはわかっておらず、真相は謎のまま様々になっているものがたくさん存在しています。中でも興味深い説を2つ紹介します。
緑のカーテンに込められた意味
『システィーナの聖母』の上部左右には緑色のカーテンが描かれています。このカーテンにも意味を込められて描かれていると考えられています。
一説によると、この緑のカーテンは当時の墓碑を真似たものであると推測されており、教皇ユリウス2世の墓碑に掲げる為に制作ものであるとされています。
何者かによって書き加えられた!?
ラファエロが描いたのは中央のイエスと聖母マリアのみであり、両端の聖シクストゥスと聖バルハラは、何者かが後に付け足して描いたという説もあります。
熱く語る
聖母マリアと幼子イエスを描いたこの作品は、その美的完成度と神聖な雰囲気において、芸術の頂点を極めています。
聖母マリアの優雅なポーズ、幼子イエスの無垢な表情、色彩の美しさはまさに感動的。ラファエロは緻密なディテールと絶妙な構図を通じて、理想的な美を追求しました。
絵画全体には、周囲に描かれた天使や聖人たちが神聖な調和を醸し出しています。この調和はまさに魂を打つものであり、芸術の魔法に身を委ねたくなります。
システィーナの聖母は、ドレスデン美術館に収められ、その存在は芸術愛好者を魅了し続けています。この作品を観ることで、ルネサンス美術の深遠さと美の追求に触れ、心に深い感銘を受けることでしょう。
ドレスデン美術館へ足を運び、その美に浸る贅沢なひとときを過ごしてみてください。美はここに極まっているのです。
このサイトのどこか1記事にピンク色の僕がいるよ!
見つけたらラッキー!ぜひ探してみてね!!!!
コメント
[…] […]