あなたはルーベンスの『キリスト昇架』という絵画をご存知でしょうか?
この作品は、フランダースの犬の絵画としても有名ですが、その意味や背景について解説していきます。
ルーベンスが描いたこの作品は、キリストの昇天を描いたものであり、その美しさと力強さは多くの人々を魅了しています。
一緒にその魅力に迫っていきましょう。
本記事のコンセプト上、最初にじっくり鑑賞からしていますが、すぐ解説をご覧になりたい方は目次で気になる個所をクリックすれば直ぐに飛べるので、ご活用ください。
ぬいと一緒に絵画を学ぼう!
『キリストの昇架』を鑑賞
なんか圧巻。。。
これがキリストだよね。
貼り付けにされる。。。
左には女性と子供が沢山描かれているね。
右は罪人?が描かれている??
『キリスト昇架』を解説
皆さん隅々まで作品鑑賞は出来ましたでしょうか?
ここからは、解説をしていきますので是非最後までご覧ください!
作品詳細:『キリストの昇架』
題名 :キリスト昇架
作者 :ピーテル・パウル・ルーベンス
製作年:1610年 – 1611年
種類 :油彩画
所蔵 :聖母大聖堂、アントウェルペン
ルーベンスの代表作『キリスト昇架』は、1610年から1611年にかけて描かれた三連祭壇画です。
この作品は、アントウェルペンの聖母大聖堂に収蔵されています。
この作品は、中央パネル、左翼パネル、右翼パネルの3つの部分から構成されており、三面鏡のように開閉できるようになっています。
中央パネルの寸法は縦460 cm、横340 cmで、左右のパネルはともに縦460 cm、横150 cmです。
ルーベンスは、1600年から1608年までの間にイタリアに滞在し、その後故郷のアントウェルペンに帰ってきました。
『キリストの昇架』は、ルーベンスがアントウェルペンに戻ってから最初に製作された作品であり、ネーデルランドにバロック美術の様式が広まるきっかけとなりました。
この作品を完成させてからほとんど時間が経たないうちに、ルーベンスは『キリスト降架』の製作に取りかかっています。
作者解説:ピーテル・パウル・ルーベンス
ここで簡単に作者のピーテル・パウル・ルーベンスを紹介します!
生没年:1577年~1640年
出身:ヴェストファーレン、ジーケン
代表作:
・『ヴァリチェッラの聖母』
・『キリスト昇架』
・『キリスト降架』
同架代の画家:
・アダム=エルスハイマー
(1578年~1610年)
・マッテオ=ロッセッリ
(1578年~1650年)
ルーベンスの事を描いた絵画知ってるよ!
神聖さと壮大さが溢れる作品
ルーベンスの『キリストの昇架』は、バロック絵画の代表的な作品として知られています。
本作は、キリストの受難と十字架刑の瞬間を描いた作品です。
3枚のパネルから成る作品の中央には、イエスが十字架に架けられた姿が表されています。
左には嘆き悲しむ聖母やマグダレナなどが、右にはイエスとともに磔刑に処される2人の罪人が描かれています。
この作品は、バロック期の特徴である強烈な明暗と劇的な構図を備えています。
キリストの犠牲と人類への救いのメッセージが強く感じられる作品となっています。
『キリスト昇架』は三連祭壇画だから、閉じる事が出来るよ!
閉じた裏側にも絵が描かれているのよ。
左側の髭もじゃのお爺さんは、ビール醸造やバーテンダーの守護聖人である聖アマンドを表しています。一方、隣に描かれているのは聖ワルプルガです。
絵の右側には、花嫁のヴェールと指輪の象徴でもある聖カタリナが描かれています。
彼女は剣で首を切断されて殉教したため、剣と殉教の象徴であるシュロの葉を手に持っています。
隣にいる男性は、金細工や鍛冶屋の守護聖人である聖エリギウスを表しています。
2. フランダースの犬との関係
この作品は、フランダースの犬で主人公のネロが見たがっていた絵としても知られています。
フランダースの犬は、ルーベンスが生まれ育った地域であるフランダース地方の象徴的な存在であり、ルーベンス自身のアイデンティティを表しています。
この絵画は、キリストの昇天が起こる場所である天国と地上を繋ぐ存在として、フランダースの犬が描かれているのです。
まとめ
ルーベンスの『キリストの昇架』は、神聖な雰囲気と壮大さが特徴のバロック絵画です。
キリストの昇天を描いたこの作品は、光と影の使い方や色彩の美しさによって、その神秘的な瞬間を表現しています。
また、フランダースの犬との関連も見逃せません。
『キリストの昇架』は、単なる宗教画ではなく、ルーベンスの芸術的な表現力と独自の世界観が詰まった作品と言えるでしょう。
ぜひ一度、その美しさと力強さを目にしてみてください。
コメント