
こんにちは、美術愛好者の皆さん。
今回は、サイゼリヤの絵としても知られているのウィリアム・アドルフ・ブグローの『アムールとブシュケー、こどもたち』(L’Amour et Psyché, enfants)を解説していきます。
本記事のコンセプト上、最初にじっくり鑑賞からしていますが、すぐ解説をご覧になりたい方は目次で気になる個所をクリックすれば直ぐに飛べるので、ご活用ください。

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鑑賞
下の解説を見る前に皆さんもぬいと一緒に作品をじっくりと鑑賞してみてください。

ウィリアム・アドルフ・ブグローの『アムールとプシュケー、こどもたち』を簡潔に解説
『アムールとプシュケー、子供たち』(L’Amour et Psyché, enfants)は、1890年にウィリアム・アドルフ・ブグローによって製作された油彩画です。

個人的には和訳は、「アムールとプシュケー、幼年期」だと思うんだよなぁ。。。
「アムール」はフランス語で「愛」を意味する言葉ですが、本作ではローマ神話の登場人物キューピッドの事を指しています。
「プシュケー」はローマ神話のプシューケーの事を指しています。
『アムールとプシュケー、子供たち』では、アムールとプシュケーが、幼少期の姿で、抱擁、接吻している様子が描かれている。

詳しくは後述するけど、主題は禁断の恋の話らしいよ♡
作品詳細

作者 :ウィリアム・アドルフ・ブグローコ
製作年:1890年
種類 :油彩画
寸法 :60 cm × 71 cm (20 in × 27 7⁄8 in)
所蔵 :個人蔵

なかなか、面白い寸法だね!
登場人物
キューピッド
概要
キューピッドはローマ神話の愛と恋愛の神で、ギリシャ神話ではエロース(Eros)と同一視されています。
彼はしばしば幼い翼を持つ美しい少年として描かれ、弓と矢を使って人々に恋愛感情を植え付けるとされています。
キューピッドは、ヴィーナスの息子であり、ヴィーナスの付き人として彼女の愛の使者として機能します。彼の矢に射たれると、恋愛や情熱が生じると信じられています。
この愛の神キューピッドは、文学、絵画、彫刻など多くの芸術作品に登場し、恋愛や美の象徴として広く知られています。
アトリビュート(目印)
翼 :
背中には一対の翼が描かれます。
容姿:
赤子や美少年の姿で描かれます。
弓矢:
恋心を芽生えさせる力を持つ矢と嫌悪感を抱かせる力を持つ矢をもって描かれます。
これらのアトリビュートは彼が愛と恋愛の神であり、人々に恋の感情をもたらす役割を象徴しています。
本作でのアモル
プシュケーに抱擁、接吻をする姿が描かれています。
プシュケー
概要
プシュケーは、ギリシャ神話に登場する元々は人間の美の女神です。
彼女は美しさや魂の象徴として知られており、その名前は「魂」や「息吹」を意味します。
最も有名な物語の一つは、アムール(エロース)との恋愛物語です。
彼女は嫉妬深い女神アフロディーテによって試練にさらされ、様々な冒険を経てアムールとの結ばれ女神になります。
プシュケーは純潔や愛、勇気を象徴し、美や魂の探求における喜びと苦悩を表現します。
アトリビュート(目印)
プシュケーのアトリビュートには、以下のようなものがあります。
蝶の羽:
プシュケーはしばしば蝶のような羽を持つ美しい女性として描かれます。
これは、アムールとの愛を貫くために、 数々の苦難を乗り越えた結果、人から神への 変身を遂げさせた事を、サナギから、蝶への変態と重ねていると 言われています。
ランプまたはろうそく:
プシュケーは暗闇を照らす光を持つことがあり、これは彼女の知恵や啓示を表しています。
花:
プシュケーは美と自然との結びつきを象徴するために、花を持つことがあります。
リボンや装飾品:
プシュケーはしばしば優雅な服装や装飾品を身につけて描かれ、彼女の高貴さや美しさを強調します
これらのアトリビュートは、プシュケーの神性や美しさ、魂の特質を象徴しています。
本作でのプシュケ
アムールに抱擁され、接吻されています。
神であるキューピッドと人間の王女プシューケーの禁断の恋
この作品は、制作当時に人気の高い主題であった「神であるキューピッドと人間の王女プシューケーの禁断の恋」が主題になっています。
神話の世界には、美しい恋の物語が数多く存在します。
その中でも特に有名なのが、ギリシャ神話に登場するキューピッドとプシューケーの物語です。
キューピッドとは、愛の神として知られる存在であり、彼の矢を射られた者は、強烈な恋愛感情に襲われると言われています。
一方、プシューケーは美しさで知られる王女であり、彼女はあまりにも美しいため、人々が彼女を崇拝し始めました。
しかし、プシューケーの美しさに嫉妬した女神ヴィーナスは、彼女を罰するためにキューピッドに命じました。
キューピッドはプシューケーに矢を射ち、それによって彼女は醜い怪物と結婚させられることになりました。
しかし、キューピッドは彼女に恋心を抱き、彼女を救うために行動を起こしました。
彼はプシューケーの元に現れ、彼女を美しい宮殿に連れて行きました。
そして、彼女に秘密裏に会うことを約束しました。
二人は禁断の恋に落ち、なんやかんやあり幸せになりました。

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本作では、そんなキューピッドとプシュケーが幼少期の姿で描かれています。
ウィリアム・アドルフ・ブグロー(William Adolphe Bouguereau)
『アムールとブシュケー、こどもたち』の作品であるウィリアム・アドルフ・ブグローの解説も簡単にさせていただきます。
ブグローは、新古典主義の時代から少し遅れた19世紀後半に活動した古典的様式の画家でした。

生没年:1825~1905年
出身:フランス王国、ラ・ロシェル
代表作:『地獄のダンテとウェルギリウス』ルーブル美術館(パリ)
『小川のほとり』国立西洋美術館(東京)
『ヴィーナスの誕生』オルセー美術館(パリ)
同世代の画家:ジョヴァンニ・ファットーリ(1825~1908年)
シャルル=ド=グルー(1825~1870年)
おすすめ書籍
この記事の参考にもさせて頂いている本を紹介します。
理由がわかればもっと面白い!西洋絵画の教科書
作品から入りたい人にも知識から入りたい人どちらにもお勧めできる一冊です。
というのも、本書の冒頭で自分に合った西洋絵画の楽しみ方に合うように章を読む順番の例を示してくれているので自分に合った順番で学ぶ事が出来ます。
西洋絵画の流れが簡単にまとまっているページや各時代の代表的な作家の紹介もわかりやすくおすすめです。各章の直前は漫画形式になっており入り込みやすいうえ、章の間のコラムもマニアックなものが多く個人的に非の打ち所がない一冊です。
世界でいちばん素敵な西洋美術の教室
文字よりも絵が多い本を望んでいる人にお勧めの一冊です。
というのも、この本は本当に文字に対して絵の割合が非常に多く様々な絵が掲載されています。
しかし、決して文字の情報も少ないわけではなく知りたい情報はすべて乗っていると言っても過言ではありません。著者さんが 淡々と面白いことを言う方のようで、Q&Aの雰囲気が個人的に最高なので、皆さんにもぜひ知ってもらいたいです。
面白すぎてあっという間に読み終えてしまうが、何度でも読めてしまうとてもおすすめの本です。
まとめ
今回は、ウィリアム・アドルフ・ブグローの『アモルとプシュケ、こどもたち』を解説しました。
他の絵画に興味がある方は別の記事もご覧ください。

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それでは、また別の記事でお会いしましょう。
アディオス。