こんにちは!
今回は、アンドレア・マンテーニャの「ディ・ソット・イン・スー」という技法で描かれたドゥカーレ宮殿の夫婦の間の天井画を鑑賞、解説していきます。
この作品はサイゼの絵としても知られていて、サイゼリヤの特定の店舗で見ることが出来ます。

そんな日本人にも馴染み深いアンドレア・マンテーニャの『ディ・ソット・イン・スー』の世界へ一緒に出掛けましょう!

ぬいと一緒に絵画を学ぼう!
アンドレア・マンテーニャの「夫婦の間の天井画」を鑑賞


あれ、なんか穴に落ちた?


上からこっち見てる。
なんだその表情。


なかなか珍しいアングルで描かれている。


ルネサンスの作品でこの肌の色の人が描かれているの珍しいね!


頭ハマっちゃうよ!!
アンドレア・マンテーニャの「夫婦の間の天井画」を解説
皆さん隅々まで作品鑑賞は出来ましたでしょうか?
ここからは、アンドレア・マンテーニャの「夫婦の間の天井画」の解説をしていきますので是非最後までご覧ください!

楽しみすぎて目回ってきた
作品詳細

題名 :夫婦の間の天井画
作者 :アンドレア・マンテーニャ
製作年:15世紀
種類 :フレスコ画
アンドレア・マンテーニャの「夫婦の間」における天井画は、15世紀イタリアルネサンスの傑作の一つであり、特にその錯覚効果で知られています。
この天井画は、マントヴァのドゥカーレ宮殿(現在のゴンザーガ宮殿)にあり、ルネサンス期の偉大な技法である「ディ・ソット・イン・スー」(見下ろす視点から描く技法)を使用しています。
マンテーニャはこの天井画で、天窓(オクルス)の形を模して青空と雲を描き、観察者に実際の開放的な空間があるかのような錯覚を与えます。
この技法は「クアドラトゥーラ」とも呼ばれ、平坦な表面に立体感や奥行きを生み出すためのものです。
天井中央には、プッティ(小さな天使のような存在)が支えるように描かれた円形の開口部があり、その周りには古代風の装飾が施されています。
この天井画は、当時の政治的・文化的な重要性を反映しています。マンテーニャはゴンザーガ家のためにこの部屋を装飾し、特にルドヴィコ・ゴンザーガとその家族を讃える壁画と共に、天井画も制作しました。
見上げる観客に対して、まるで天国への入り口が開いているかのような幻想的な効果を創り出すことで、マンテーニャは視覚的驚異だけでなく、権力と神聖さを象徴しています。
この技法と構図は、後のバロックやロココ美術に影響を与え、天井画の新たな可能性を開いたと言えます。
マンテーニャの「夫婦の間」の天井画は、その描写の正確さと空間の幻想性により、ルネサンス美術の中でも特筆すべき作品とされています。
ディ・ソット・イン・スー
「ディ・ソット・イン・スー」は、イタリア語で「下から上へ」という意味で、美術においては特定の視点から物体や人物を描く技法を指します。
この技法では、観察者が下から見上げる視点を前提に作品が創作されるため、絵画やフレスコ画に描かれたものが天井や壁上部にある場合、視覚的な錯覚によってそれらが実際に立体的に存在するかのように見えます。
以下に詳細を説明します
- 視点の歪み: 通常、人間の視点は水平または少し下向きですが、この技法では下から上に向けて見る視点を再現します。これにより、描かれる対象(人物、建築物、装飾など)は下から見上げる角度で歪んで描かれ、立体感や奥行きが強調されます。
- 立体感創出: 観察者が作品を見上げる際、絵画が実際に空間を占めているかのような錯覚を生み出すことができます。例えば、マンテーニャの「夫婦の間」の天井画では、天井が開いているかのように見え、そこから青空が覗いている幻想を与えます。
- 歴史的使用: この技法は特にルネサンス期に発展し、教会や宮殿の天井やドーム部に用いられました。アンドレア・マンテーニャやミケランジェロなどの画家がこれを巧みに使い、視覚的な驚異を生み出しました。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画もこの技法の著名な例です。
- 技術的挑戦: 画家にとっては、視点の歪みを正確に表現することは非常に難しい技術的挑戦を含みます。透視図法の深い理解と、見上げる視点からどう見えるかを想像する能力が求められます。
この技法は視覚芸術での空間認識と錯覚の探求において重要であり、ルネサンスからバロック美術にかけての革新を象徴しています。
まとめ
今回はアンドレア・マンテーニャの「ディ・ソット・イン・スー」という技法で描かれたドゥカーレ宮殿の夫婦の間の天井画を鑑賞、解説していきました!
サイゼリヤの天井画としても知られている本作ですが、ルネサンス期のとても重要な技法を使って描かれていたんですねー。
何世紀も先のはるか遠い国のファミレスで使用される絵って冷静に考えたら凄いですよね。