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大ゴッホ展で見られる《自画像》を解説!クレラー=ミュラー美術館蔵

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ポスト印象派
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画面いっぱいに迫る顔、冷たい緑と青のストローク、こちらを正面から射抜くような視線。
本稿で取り上げるのは、パリ時代の《自画像》(1887年・クレラー=ミュラー美術館蔵)です。モデル料のかからない「自分の顔」で色と筆致を徹底的に試し、肖像画家として生きる道を模索していた頃の作。ゴッホが“パリで何を掴んだのか”が、この小さな板に凝縮されています。根拠となる一次情報を引きながら、作品の見どころと背景を丁寧に解説します。

大ゴッホ展 夜のカフェテラス」で鑑賞できる作品です!
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ぬい
ぬい

日本で本物を見る機会があるなんて激熱!

見れる人は是非見ておきたい作品だね。

レゴッホ
レゴッホ
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《自画像》

まずは簡単に作品の情報を紹介します。

《自画像》
作品詳細

作品名:自画像

制作年:1887年4–6月ごろ(パリ滞在期)

素材・技法:油彩

サイズ:32.4 × 24.0 cm

所蔵:クレラー=ミュラー美術館(オランダ)

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パリでの自己研鑽としての《自画像》

1886年末にパリへ移ったゴッホは、肖像画家として生活できる力をつけるべく、多数の自画像に取り組みます。モデルがいなくても描ける顔—それが自分自身でした。
ゴッホは「自分の頭の色の調子を描くことができるなら、きっと他の人の頭も描けるはずだ」と語ったことが所蔵館によって紹介されています。自画像は、目的をもった反復練習であり、職業的自立へのステップでした。

ぬい
ぬい

自分の顔でトレーニング、コスパ最強ってことね。

しかも毎回やり方を変えて試してる。量じゃなくて“実験の連続”なんだよ。

レゴッホ
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色が“軽く”なる転換点:パリで明るくなったパレット

この自画像の最大の特徴は、淡い緑や青・藤色を重ねた軽やかな色調です。
パリで印象派や新印象派に触れたゴッホは、オランダ時代の土っぽい茶や灰色中心のパレットから、明るく澄んだ色へ舵を切ります。ゴッホ美術館も、パリ期にパレットが「目に見えて明るく、鮮やかになった」と解説しています。

ぬい
ぬい

背景のストローク、風みたいに流れてる。

重たい影を塗りつぶすんじゃなく、筆触のリズムで“空気”を見せてるんだ。

レゴッホ
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画面のつくり:顔が画面を占める迫り方

この作品は胸から上の近距離構図で、視線はわずかに右へ流し気味。背景は単色ではなく、緑〜青の短く速いストロークが渦のように重なり、顔の輪郭を震わせます。
マチエール(絵肌)は厚すぎず、それでも方向性のあるタッチを連ねて、頬の赤みや髭の質感、目の周りの血色を作る。寸法はわずか32.4×24cmですが、画面の密度は驚くほど高い—所蔵館の寸法・材質情報と見比べると、この「小ささに詰め込まれた密度」の凄みが実感できます。

ぬい
ぬい

小さいのに圧あるの、ズルい。

ストロークを細かく積み上げるから、面積以上に情報量が乗るんだ。

レゴッホ
レゴッホ
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なぜ自分を描いたのか:動機の一次資料

ゴッホが自画像を重ねた理由は、単に鏡が手近だったからではありません。彼は「(モデルがいないなら)自分の頭の色の調子を描けるようになれば、他人の頭も描ける」と、肖像画家になるための“訓練”として位置づけています。同趣旨の言葉はゴッホ書簡でもたびたび触れられます。

ぬい
ぬい

目的が“上手くなる”じゃなくて“食べていける肖像画家になる”なの、リアル。

生存戦略。だから一枚ごとに課題が設定されてるんだ。

レゴッホ
レゴッホ
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この《自画像》の位置づけ:多数ある自画像の中で

ゴッホはパリ時代を中心に多数の自画像を制作しました。本作はそのうちの一つで、1887年春初夏の制作と所蔵館が示します。段ボール支持体という選択も、素早い実験と制作の回転を優先した彼らしいチョイスです。

ぬい
ぬい

キャンバスじゃなくて段ボールって、スピード重視ってこと?

コストもあるし、乾きが早くて手が止まらない。
要は“試作と実戦”の間くらいのノリ。

レゴッホ
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来歴と現在地

現在はオランダのクレラー=ミュラー美術館が所蔵しています。同館の公式ページに基礎データと短い解説がまとまっているので、鑑賞前後の確認に最適です。

ぬい
ぬい

行く前に公式読む→現地で本物を見る、が最強ルート。

公式の数行、実物の一歩。両方セットで理解が跳ねるよ。

レゴッホ
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まとめ

ゴッホがパリ時代に描いた《自画像》(1887年、クレラー=ミュラー美術館蔵)は、単なる自己の記録ではなく、肖像画家としての成長を目指した実験の場でした。
段ボールという支持体に、軽やかな緑や青のストロークを重ね、印象派からの影響を吸収しつつ独自の色彩表現を模索しています。
数ある自画像のなかでも、職業的自立への意志と色彩の転換が読み取れる重要な一枚といえるでしょう。

ぬい
ぬい

ゴッホの自画像って“練習”のイメージだったけど、こんなに意志詰まってるんだね。

練習っていうより“実験と戦略”だな。全部が未来に繋がってるんだよ。

レゴッホ
レゴッホ

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参考・出典(一次情報中心)

  • Kröller-Müller Museum 公式作品解説《Self-Portrait》:制作時期・材質・寸法、自画像制作の動機の引用を確認できます。 Webexhibits
  • Van Gogh Museum(FAQ記事):「パリ期にパレットが明るくなった」という概説。 Van Gogh Museum
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