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ゴッホ《昼、休息(ミレーによる)》を解説! 自分らしさがでる名画

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ポスト印象派
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干し草の山かげに並んで眠る農夫と農婦。
向こうには牛に引かれた荷車、頭上には抜けるような青空。
ゴッホの《昼、休息》は、ジャン=フランソワ・ミレーの《1日の4つの時:昼寝(La Sieste)》をもとに描かれた有名な“模写”ですが、単なるコピーではありません。
白黒の版画を手がかりに、黄色い大地と青い空の補色関係で真昼の熱と安らぎを立ち上げた、ゴッホ流の“色彩翻訳”です。

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ぬい
ぬい

ミレーの作品のカバーみたいなことかな?

そうだね!そんな感じ!

レゴッホ
レゴッホ
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《昼、休息(ミレーによる)》

まずは簡単に作品の情報を紹介します。

作品詳細
  • 作品名:《昼、休息(ミレーによる)》
  • 元図:ミレー《1日の4つの時:昼寝》
  • 制作:1890年初頭、サン=レミ=ド=プロヴァンス(療養所)
  • 技法・サイズ:油彩/カンヴァス、約 73×91.5cm
  • 参照資料:ミレー作の白黒版画(複製版)を主に使用
  • 所蔵:オルセー美術館(パリ)
ぬい
ぬい

なんか落ち着く作品。

ゆったりできるよね。

レゴッホ
レゴッホ

ゴッホ《種まく人(ミレーによる)》解説 !ゴッホ流の再解釈

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制作背景|ミレーの“精神”を色で受け継ぐ

1日の4つの時:昼寝

アルルの騒動を経てサン=レミ療養所にいたゴッホは、体調を見ながら先人の版画を色で写し取る制作を集中的に行いました。とりわけ敬愛するミレーは、農民の働きと祈りを荘厳に描いた画家。ゴッホは彼の構図を白黒の版画から読み取り、そこに自分の色と筆致を与えて「現代の色の聖書」にしていく――そんな意識で向き合っています。
《昼、休息》はその最も成功した例のひとつ。ミレーが捉えた“労働の合間の沈黙”に、南仏の光と風をそっと重ねました。

ぬい
ぬい

なんか落ち着く作品。

ゆったりできるよね。

レゴッホ
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構図の読み方|“並列”が生む静けさ、遠景がつくる時間

画面右の干し草の山を背景に、二人の身体が画面の長辺とほぼ平行に横たわります。動きの少ない並列が、真昼の停滞をそのまま視覚化。足元に置かれた鎌と木靴が「さっきまで働いていた」時間を語り、少し離れた遠景では牛と荷車がゆっくり周回しています。
近景の“眠り”と遠景の“仕事”が同居することで、絵の中に時間の流れが生まれ、まどろみがいっそう深く感じられます。

ぬい
ぬい

ぬいも眠くなってきちゃいそう。

そう思わせられるの凄いよね。

レゴッホ
レゴッホ
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色彩設計|黄色い大地 × 青い空=真昼の温度

この絵の核心は、黄(麦・干し草)と青(空・衣服)の大きな面積比です。
熱を帯びた黄に対して、人物の衣を涼しい青でまとめることで、体感温度がすっと下がる。画面が“暑いのに涼しい”のは、補色関係を大胆に使った配色の効果です。
影には黒をほとんど使わず、オーカーや黄土、青の濃淡で量感をつくるのがゴッホ流。麦の穂や干し草は短いストロークの積層でざらついた手触りが出され、青空は水平に流れるタッチで真昼のまぶしさを保っています。

ぬい
ぬい

ゴッホと言えば青と黄だよね!

そうだね。その二色はよく使われているよね。

レゴッホ
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筆致とリズム|眠りの静けさを“手の速度”で描き分ける

人物の輪郭は柔らかい曲線で抱えられ、衣のひだは長い、遅めのストロroke。対して麦の束は短く速い反復で、体の下に敷かれた柔らかさを伝えます。
筆の速度を落としたところは“休息”、速めたところは“陽射し”。この速度差が、音の小さな昼寝の情景を無理なく支えています。

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ミレー版とのちがい|色と呼吸の“南仏アレンジ”

1日の4つの時:昼寝

ミレーの《昼寝》は、土色と淡い青で静かな敬虔さを保ちます。ゴッホはそこに南仏の強い日差しを持ち込み、黄の面積と明度を一段上げました。人物の青を強めたことで、暑さの中の“陰影の涼しさ”が際立ちます。
また、遠景の牛と荷車を明瞭に残し、作業の循環を示したのもゴッホの意図。労働のリズムが休息をより豊かに見せ、画面に生きた時間を通わせています。

ぬい
ぬい

ゴッホと言えば青と黄だよね!

そうだね。その二色はよく使われているよね。

レゴッホ
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まとめ|“模写”を越える、色の再解釈

《昼、休息》は、ミレーの構図を出発点にしながら、色と筆致で真昼の体感を作り直したゴッホの到達点です。
黄と青の大きな対比、手の速度の切り替え、遠景の時間。どれもが働く人の尊厳へ向けられています。
模写という言葉に収まりきらない、敬意と発明のあいだで生まれた一枚。南仏の光の下で、人が“正当に休む”ことの美しさを、静かに教えてくれます。

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